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The Inter-University Athletics Union of Japan

種目ごとの観戦ポイント

100m

 スタート前の一瞬の静寂。号砲と同時に解き放たれる10秒間の力の爆発。まさに、陸上競技の花形といえるこの種目。
 男子は、昨年本大会優勝の九鬼巧(早稲田大)が資格記録トップ。しかし、昨年のモスクワ世界選手権代表の山縣亮太(慶應義塾大)をはじめ、実力者がそろう。日本選手権で学生が1位〜4位を独占したこの種目で、ハイレベルの戦いが期待される。
 女子は、ロンドン五輪代表でジュニア日本記録保持者の土井杏南(大東文化大)に注目が集まる。しかし、今秋のアジア大会代表の藤森安奈(青山学院大)や100mHと2種目でハイレベルの競技力を持つ青木益未(環太平洋大)にも力がある。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 九鬼 巧 早稲田大 10.19 1 土井 杏南 大東文化大 11.57
2 ケンブリッジ 飛鳥 日本大 10.21 2 藤森 安奈 青山学院大 11.68
3 山縣 亮太 慶應義塾大 10.22 2 青木 益未 環太平洋大 11.68
4 大瀬戸 一馬 法政大 10.25 4 高森 真帆 青山学院大 11.75
5 女部田 祐 中央大 10.30 5 久貝 瞳 園田学園女子大 11.80

200m

 スプリントの花形、100mに比べて地味な印象のこの種目だが、実は、曲走路の走りが勝負を分ける、速さと技術がものを言う味のある種目でもある。
 男子の注目は、100mで10秒01の記録を持つ、スプリント界の「顔」、桐生祥秀(東洋大)。5月の関東ICで100mのアジアジュニア記録を出したが、200mでも、大前祐介(早稲田大)の持つ20秒29のアジアジュニア記録を狙う。桐生と同じ資格記録を持つのが、今年の日本選手権チャンピオン、原翔太(上武大)。昨年のユニバーシアード代表、橋元晃志(早稲田大)も、故障からの復活を狙う。猶木雅文(中央大)は、昨年の本大会チャンピオン。
 女子では、土井杏南(大東文化大)が100mとの2冠も視野に入れる。資格記録2位の神保祐希(筑波大)は、昨年のインターハイでは、スプリント3種目入賞を成し遂げたマルチスプリンター。さらに、塩谷寛美(駿河台大)も、今季好調で、勝機がある。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 橋元 晃志 早稲田大 20.35 1 土井 杏南 大東文化大 23.63
2 原 翔太 上武大 20.41 2 神保 祐希 筑波大 23.65
2 桐生 祥秀 東洋大 20.41 3 塩谷 寛美 駿河台大 23.92
4 猶木 雅文 中央大 20.44 4 杉浦 はる香 青山学院大 24.06
5 谷口 耕太郎 中央大 20.45 5 野林 祐実 立命館大 24.14

400m

 短距離種目では最長のこの種目。トラック1周を50秒以内で駆け抜けるが、最後の直線は、選手にとっては永遠に感じられると言う。
 男子では、7月の世界ジュニアで400m、4×400mRの2種目でメダルを獲得した加藤修也(早稲田大)に、1年生優勝の期待がかかる。一方、東海大の小林直己も、7月に海外の大会で自身初の45秒台に突入するなど、絶好調。
 女子では、高校生ながら昨年の日本選手権を52秒52という驚異的なタイムで制した杉浦はる香(青山学院大)がエントリー。大学に入ってからは成績を残せていないが、復活なるか。一方、今季急激に力を伸ばしているのが、小田垣亜樹(立命館大)。5月の関西ICで、昨年の日本学生ランキング1位相当の好記録で優勝すると、7月の国際大会で、4×400mRの日本代表として、来年の世界リレーの標準記録突破に貢献した。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 加藤 修也 早稲田大 45.69 1 杉浦 はる香 青山学院大 52.52
2 小林 直己 東海大 45.79 2 小田垣 亜樹 立命館大 53.79
3 山ア 謙吾 日本大 46.00 3 新宮 美歩 福島大 54.17
4 木村 和史 環太平洋大 46.29 4 上山 美紗喜 東大阪大 54.20
5 近藤 崇裕 筑波大 46.64 5 名倉 彩夏 中京大 54.24

800m

 400mトラックを2周。最初から引っ張るか、最後のスパートに賭けるかなど、駆け引きが非常に重要な種目で、心技体すべてが要求される。
 男子では、5月のゴールデンGPで1分45秒75という驚異的な日本新記録を出した川元奨(日本大)が出場。日本選手権も制し、今季は無敵状態。ランキング2位も岡田隆之介(日本大)が占め、中距離王国・日本大学の本領発揮なるか。コンディション次第では、1分48秒11の大会記録の更新にも期待。
 女子も日本大学の大森郁香が注目。今年一気に記録を伸ばして関東インカレを2分3秒台で制し、そのままの勢いで日本選手権も優勝。波に乗る。一方、昨年日本選手権と日本ICを共に制した伊藤美穂(順天堂大)にも注目。今季は大森の勢いが勝っているが、展開次第で誰が勝つかわからない。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 川元 奨 日本大 1:45.75 1 大森 郁香 日本大 2:03.96
2 岡田 隆之介 日本大 1:48.89 2 伊藤 美穂 順天堂大 2:04.27
3 田中 智則 近畿大 1:49.45 3 広田 有紀 秋田大 2:05.65
4 櫻井 大介 京都大 1:49.65 4 新宮 美歩 福島大 2:05.95
5 新川 翔太 日本体育大 1:49.72 5 谷本 有紀菜 筑波大 2:06.44

1500m

 800mと同様に、頭を使うことも要求される種目。4分間の間に先頭の入れ替わりやスパート合戦など、さまざまな展開が繰り広げられ、見ごたえもある。
 男子は、エノック・オムワンバ(山梨学院大)が資格記録トップ。5000mにもエントリーしており、1500m・5000mの2冠に輝いた関東ICの再現なるか。日本人では、日本選手権の5000mで最後まで優勝争いを繰り広げるなど、躍進著しい村山紘太(城西大)に注目。オムワンバの牙城を崩せるか。
 女子では、7月に海外の競技会で自己ベストをマークした飯野摩耶(東京農業大)がランキングトップ。日本選手権でも2年連続で3位以内に入っている実力者。しかし、昨年この大会を制した森智香子(大東文化大)や、関西ICで1500m・5000mの2冠を達成し好調の野田沙織(大阪学院大)など実力者がそろい、誰が勝ってもおかしくない。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 エノック・オムワンバ 山梨学院大 3:39.16 1 飯野 摩耶 東京農業大 4:16.37
2 村山 紘太 城西大 3:43.85 2 出水田 眞紀 立教大 4:17.74
3 安齋 宰 順天堂大 3:44.98 3 森 智香子 大東文化大 4:17.76
4 的野 遼大 順天堂大 3:45.82 4 卜部 蘭 東京学芸大 4:18.30
5 秦 将吾 山梨学院大 3:46.14 5 野田 沙織 大阪学院大 4:18.68

5000m

 400mトラックを12周半。今や長距離種目は、言わずと知れた人気種目だが、9月の熊谷の猛暑に選手がいかに対応していくかにも注目。
 男子は、八木沢元樹(明治大)が、唯一13分30秒を切る資格記録を持ち、ランキングトップ。エノック・オムワンバ(山梨学院大)、昨年の優勝者ダニエル・ムイバ・キトニー(日本大)に、日本人選手がいかに対抗していくか。今季、5000m・10000m・ハーフマラソンで学生ランキングトップの村山謙太(駒澤大)の走りにも期待。
 女子では、中原海鈴・上原明悠美の松山大学勢が、好タイムを持つ。しかし、昨年のユニバーシアード銅メダリストの荘司麻衣(中京大)、今年の関西IC中長距離2冠の野田沙織(大阪学院大)、昨年の本大会覇者・大森菜月(立命館大)など、勝負強い選手たちが、虎視眈々とタイトルを狙う。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 八木沢 元樹 明治大 13:28.79 1 中原 海鈴 松山大 15:36.22
2 エノック・オムワンバ 山梨学院大 13:31.54 2 荘司 麻衣 中京大 15:37.55
3 村山 謙太 駒澤大 13:34.53 3 野田 沙織 大阪学院大 15:37.74
4 ダニエル・ムイバ・キトニー 日本大 13:35.21 4 上原 明悠美 松山大 15:37.89
5 西池 和人 法政大 13:37.93 5 出水田 眞紀 立教大 15:38.22

10000m

 今大会では最長の競走種目。400mトラックを25周という長丁場だが、それを感じさせないほど目まぐるしく勝負の駆け引きが行われる。長距離選手には厳しい残暑が予想され、暑さへの対応力も問われる。
 男子では、5000mと2種目にエントリーしている村山謙太(駒澤大)が、唯一27分台の資格記録を持つ。今季は、2月にハーフマラソンで日本人学生最高記録をマークすると、関東ICでは、双子の弟・紘太(城西大)と男子1部・2部で10000mのアベック優勝を成し遂げるなど、学生長距離界を代表する選手になっている。しかし、昨年本大会長距離2冠のダニエル・ムイバ・キトニー(日本大)や、井上大仁(山梨学院大)などにも力は十分であり、展開次第で誰が勝つかは全く読めない。
 女子では、松田杏奈(松山大)が資格記録トップを占める。しかし、とびぬけた記録を持つ選手はおらず、今季好調の鍋島莉奈(鹿屋体育大)や、昨年のユニバーシアードハーフマラソン銅メダリストの奥野有紀子(京都産業大)など、混戦が予想される。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 村山 謙太 駒澤大 27:49.94 1 松田 杏奈 松山大 33:05.33
2 ダニエル・ムイバ・キトニー 日本大 28:02.79 2 鍋島 莉奈 鹿屋体育大 33:08.00
3 井上 大仁 山梨学院大 28:23.34 3 奥野 有紀子 京都産業大 33:13.45
4 一色 恭志 青山学院大 28:23.40 4 高木 綾女 名城大 33:15.31
5 小椋 裕介 青山学院大 28:27.73 5 木村 芙有加 大東文化大 33:16.45

110mH・100mH

 ハードルの高さは、男子では大人の腰くらいの高さ(1.067m)。全身を目いっぱいに使ってハードルを超えていく姿は、迫力を感じさせる。
 男子では、今年国際武道大学勢として初めて日本選手権を制した増野元太(国際武道大)が、学生タイトルも狙ってくる。関東ICで、増野と同タイムで優勝を分け合ったのが、太田和彰(日本大)。日本ICでは、どのような戦いが見られるのか。
 女子では、今秋のアジア大会代表、青木益未(環太平洋大)が資格記録トップ。高校までは主に100mを専門としており、ハードル選手としては抜群のスプリントを持つ。6月の日本学生個人で自己ベストを更新するなど伸び盛りで、インカレ初優勝も狙う。一方、資格記録2位の藤原未来(武庫川女子大)も、青木と0.03秒しか変わらない資格記録を持つ。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 増野 元太 国際武道大 13.58 1 青木 益未 環太平洋大 13.35
2 太田 和彰 日本大 13.84 2 藤原 未来 武庫川女子大 13.38
3 粟野 祐弥 日本体育大 13.86 3 清山 ちさと 筑波大 13.49
4 山根 雅斗 関西学院大 13.87 4 西野 愛梨 東京学芸大 13.51
5 桐山 範大 同志社大 13.88 5 上田 美鈴 筑波大 13.55

400mH

 400mを走る間に10台のハードルを越える。スピードとハードル技術の両方が問われる。ハードル間を何歩で刻むかなどにも注目してみると、人それぞれで面白い。
 男子では、山田淳史(東海大)が唯一50秒を切る資格記録を持つ。しかし、5月の関東ICで1位・2位を占めた橋本孝興(日本大)と加藤誠也(筑波大)なども、優勝を狙っている。
 女子では、昨年の日本IC上位3名が、順番こそ違うものの、資格記録の上位3名を占める。杉山真奈穂は、昨年本大会3位だが、今回はトップの資格記録を持ち、初優勝を狙う。松田絵梨(筑波大)は昨年の本大会チャンピオン。西野愛梨は、昨年100mHと400mHでともに2位を占め、今大会も両種目で好成績を目指す。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 山田 淳史 東海大 49.96 1 杉山 真奈穂 福岡大 58.02
2 橋本 孝興 日本大 50.37 2 松田 絵梨 筑波大 58.36
3 永野 佑一 早稲田大 50.38 3 西野 愛梨 東京学芸大 58.63
4 加藤 誠也 筑波大 50.40 4 伊藤 明子 筑波大 58.80
5 廣瀬 達也 大阪教育大 50.43 5 王子田 萌 立命館大 58.80

3000mSC

 3000mの中で障害物を28回、水郷を7回飛び越える、トラックで最も過酷な種目。
 男子では、昨年の日本IC覇者である津田修也(筑波大)が資格記録トップ。しかし、5月の関東IC、6月の日本学生個人を制した村島匠(順天堂大)は、1年生ながら勢いに乗っており、優勝候補の一角。男子3000mSCは、1979年から日本学生記録が更新されておらず、そろそろ更新する選手の登場に期待。
 女子では、中村真悠子(筑波大)と森智香子(大東文化大)の対決に注目。昨年の本大会で中村は、日本学生新記録で優勝。しかし、その記録を今年5月の関東ICで森が更新し、学生初の9分台に突入した。しかし、その2週間後、中村が日本選手権という大舞台で、その記録をさらに5秒上回る日本学生記録を達成。男子とは対照的に、今最も日本学生記録が更新されている種目といえる。2年連続、この大会で日本学生記録が生まれるのか。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 津田 修也 筑波大 8:47.95 1 中村 真悠子 筑波大 9:53.87
2 西川 凌矢 龍谷大 8:53.52 2 森 智香子 大東文化大 9:58.98
3 村島 匠 順天堂大 8:53.57 3 北本 可奈子 名城大 10:12.40
4 矢ノ倉 弘 山梨学院大 8:54.47 4 三島 美咲 松山大 10:13.47
5 乾 拓馬 関西学院大 8:56.46 5 高見澤 安珠 松山大 10:24.87

10000mW

 今大会唯一の競歩種目。両足が同時にグラウンドから離れていないか(ロス・オブ・コンタクトになっていないか)、前脚が接地の瞬間から垂直の位置になるまでまっすぐに伸びているか(ベント・ニーになっていないか)、よく目を凝らして見てほしい。
 男子では、今大会に2名出場している日本記録保持者の一人、高橋英輝(岩手大)が、優勝候補の本命。しかし、ジュニア日本記録保持者の松永大介(東洋大)も、高橋と1.5秒しか違わない好タイムを持っており、7月の世界ジュニア選手権では大会新記録で優勝するなど、波に乗っている。小林快(早稲田大)も、今季日本学生20km競歩・日本学生個人を制すなど、学生タイトルを総なめにしており、勢いがある。
 女子では、1年生ながらとびぬけた資格記録を持つ五藤怜奈(中部学院大)がランキングトップ。7月の世界ジュニア選手権で自己ベストを更新し、勢いがある。さらに、八木望・渡邉志穂・根本侑実と、ランキング5位以内に3名が入る「競歩王国」東京学芸大学は、関東ICではこの種目で18点を荒稼ぎした。今大会では、さらなる活躍に期待。

【記録上位ランキング】
男子 女子
1 高橋 英輝 岩手大 39:06.87 1 五藤 怜奈 中部学院大 45:54.07
2 松永 大介 東洋大 39:08.23 2 八木 望 東京学芸大 47:20.39
3 小林 快 早稲田大 39:27.90 3 松本 彩映 国士舘大 47:23.89
4 山下 優嘉 東洋大 40:15.27 4 渡邉 志穂 東京学芸大 47:41.36
5 木村 洋介 順天堂大 40:41.73 5 根本 侑実 東京学芸大 47:46.12
走高跳
 「高さの跳躍」と呼ばれる跳躍種目の1つ。助走のリズムと、スピードを高さに変える技術力、バーに触れずにマットに着地する身のこなしが重要。
 男子では、昨年本大会2位、今年の日本選手権チャンピオン、衛藤昂(筑波大)がランキングトップ。昨年、同じ筑波大の戸邉直人が大会タイ記録をマークしたが、今年は衛藤が大会新記録を狙う。東海大2年の佐藤凌、日本大1年の中島大輔ら、若い選手は、大学院生・衛藤に迫れるか。
 女子では、昨年のインターハイ・日本ジュニア女王の宗包麻里菜(中京大)がランキングトップ。昨年高校生ながら国体成年を制した辻愛(甲南大)など、1年生に実力者がそろう。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 衛藤 昂 筑波大 2m28 1 宗包 麻里菜 中京大 1m82
2 佐藤 凌 東海大 2m21 2 石井 ゆりこ 至学館大 1m76
3 中島 大輔 日本大 2m20 2 山中 里花子 中京大 1m76
4 元吉 雄基 東海大 2m18 2 辻 愛 甲南大 1m76
5 鈴木 真悟 福島大 2m16 2 岩下 美桜 大阪教育大 1m76
5 赤松 諒一 岐阜大 2m16
棒高跳
 陸上競技の中で、最も「高い」場所で行われる種目。男子では5mをはるかに超える高さまで舞い上がり、見上げる高さのバーに触れもせずに超えていく。男子棒高跳は、フィールド種目で数少ない、日本が世界と戦える種目。
 男子では、ゴールデングランプリに出場するなど、成長株の山本智貴(日本体育大)がランキングトップ。昨年の山本聖途(中京大)ほどの飛び抜けた選手はおらず、混戦が予想される。
 女子では、ランキングトップの竜田夏苗(武庫川女子大)は、昨年の本大会優勝者であり、昨年の日本選手権チャンピオンでもある。今年の日本選手権では敗れたが、優勝候補の大本命。清和大は、ランキング5位以内に3名が入り、一気に大量得点を狙う。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 山本 智貴 日本体育大 5m40 1 竜田 夏苗 武庫川女子大 4m10
2 石川 文貴 順天堂大 5m31 2 榎本 優子 筑波大 4m00
2 堀田 早人 中京大 5m31 3 有川 星女 中京大 3m81
4 田中 亘 群馬大 5m30 4 小田嶋 怜美 清和大 3m80
4 有明 徹也 関西学院大 5m30 4 笠原 英美璃 清和大 3m80
4 蕪野 亜紀 清和大 3m80
4 大熊 菫 日本体育大 3m80
走幅跳
 助走のスピードを跳躍力に変え、宙を舞って砂場に着地する。スピードが肝心だが、空中での姿勢や、1センチ単位での助走開始位置の調整など、細かな技術もものを言う。
 男子では、昨年の本大会覇者であり、今年の日本選手権を制した嶺村鴻汰(筑波大)がランキングトップ。自己記録は7m94で、8m台を狙える。さらに、昨年本大会2位の毛呂泰紘、3位の政知也を擁する順天堂大も、高得点を狙う。また、岐阜経済大の松原瑞貴は、6月の日本学生個人で、大ジャンプを見せ優勝した。
 女子では、五十嵐麻央(福島大)が、地元で行われた日本選手権で初優勝。勢いに乗っている。高校時代から実績を持つランキングトップの中野瞳(筑波大)や、三段跳とのダブルエントリーの宮坂楓(横浜国立大)なども有力。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 嶺村 鴻汰 筑波大 7m94 1 中野 瞳 筑波大 6m39
2 毛呂 泰紘 順天堂大 7m84 2 五十嵐 麻央 福島大 6m32
3 松原 瑞貴 岐阜経済大 7m80 3 宮坂 楓 横浜国立大 6m22
4 政 知也 順天堂大 7m79 4 田中 美沙 中京大 6m20
4 南 晋太郎 中京大 7m79 5 早坂 知華 筑波大 6m15
三段跳
 ホップ・ステップ・ジャンプの三段のリズムで、10mを超える距離を稼ぐ。よく観察すると、人によってホップ・ステップ・ジャンプそれぞれで稼ぐ距離の割合も微妙に違っており、そういった細かな違いに目を向けるのも醍醐味の一つ。
 男子では、有松今日(日本大)が資格記録トップ。その他にも、今年東海学生記録を出した愛知教育大の佐脇匠、高校記録保持者の山本凌雅(順天堂大)など、実力は拮抗している。
 女子では、昨年の国体覇者・宮坂楓(横浜国立大)が、唯一13mを超える資格記録を持つ。一方、昨年1年生ながら日本学生個人優勝、日本IC3位など大活躍した剱持早紀(筑波大)らにも注目。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 有松 今日 日本大 16m22 1 宮坂 楓 横浜国立大 13m02
2 松下 翔一 筑波大 16m19 2 剱持 早紀 筑波大 12m95
3 佐脇 匠 愛知教育大 16m13 3 加藤 玲奈 東海大 12m72
4 山本 凌雅 順天堂大 16m10 4 五十嵐 麻央 福島大 12m69
5 戸村 柊 順天堂大 16m03 5 森本 麻里子 日本女子体育大 12m67
砲丸投
 世界レベルの選手でも20m程度の記録と、投てき種目の中では、地味に思われがちな種目。しかし、砲丸の重さは男子で7.260kgとハンマー投と並んで最も重いため、パワーが非常にものを言う豪快さが魅力でもある。一方、人によって回転投法かグライド投法かが異なるなど、細かい技術面にも注目したい。
 男子では、宮内育大(日本大)が資格記録トップ。2位の佐藤征平(国士舘大)とは、60cm以上の差がある。17mを超える資格記録をもつのはその2名であり、記録上は差があるようにも見えるが、展開次第では誰が勝ってもおかしくない。
 女子では、昨年砲丸投と円盤投でともに2位の中田恵莉子(中京大)が最終学年。今年は2種目ともランキングトップであり、投てき2冠を狙う。関西学生記録保持者の福富栄莉奈(園田学園女子大)、今季好調の山本舞(大阪体育大)など、関西勢にも実力者が揃い、昨年本大会優勝者の松田昌己(国士舘大)など、実力は拮抗している。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 宮内 育大 日本大 17m82 1 中田 恵莉子 中京大 15m24
2 佐藤 征平 国士舘大 17m21 2 福富 栄莉奈 園田学園女子大 15m23
3 中村 太地 国士舘大 16m79 3 山本 舞 大阪体育大 15m14
4 大坂 将央 東海大 16m50 4 松田 昌己 国士舘大 14m96
4 鈴木 愛勇 日本大 16m50 5 山内 愛 大阪成蹊大 14m65
円盤投
 ハンマー投と並んで、ネットに囲まれたサークル内でターンをして円盤を遠くに飛ばす。教科書などで、よく円盤投をしている男性の像の写真が掲載されるように、古代オリンピックからあった歴史ある種目。円盤の重さは、男子2kg、女子1kg。
 男子では、今季、従来の大学記録をともに更新した安保建吾・米沢茂友樹の東海大コンビが、資格記録1位・2位を占める。昨年まで、前人未到の6連覇を成し遂げた堤雄司(国士舘大)が卒業し、混戦が予想される。
 女子では、砲丸投との2冠を狙う中田恵莉子(中京大)がランキングトップ。唯一50m台の資格記録を持ち、優勝候補の筆頭。ランキング2位以下の寺井沙希(国士舘大)、河合郁実(筑波大)らも実力がある。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 安保 建吾 東海大 55m79 1 中田 恵莉子 中京大 51m32
2 米沢 茂友樹 東海大 55m18 2 寺井 沙希 国士舘大 48m07
3 前田 奎 筑波大 53m74 3 河合 郁実 筑波大 47m93
4 湯上 剛輝 中京大 53m62 4 知念 莉子 筑波大 47m31
5 秋場 堅太 日本大 53m48 5 藤森 夏美 順天堂大 47m22
ハンマー投
 室伏広治の活躍などで、一番なじみのある投てき種目かもしれない。男子7.260kg、女子4kgのハンマーを60m以上飛ばすには、上半身と下半身のバランスのとれた身体能力が不可欠。なお、ハンマー投のみは、大会1日目に予選付帯投てき場で行い、決勝12名を選出して2日目に本競技場で決勝を行う。
 男子では、昨年の本大会チャンピオンの保坂雄志郎(筑波大)が連覇を狙う。資格記録1位の倉田直人(九州共立大)は昨年本大会2位であり、リベンジを狙う。墨訓熙(中京大)は、この種目のジュニア日本記録保持者。
 女子では、勝山眸美(筑波大)と居川汐里(四国大)の2年生対決か。勝山は、この種目のジュニア日本記録保持者であり、今季は5月の関東インカレで60mの大台に載せるなど、実力者。一方の居川は、6月の日本学生個人では勝山に勝利。日本学連登録者数わずか10名の四国大学から、インカレチャンピオンが出るのか。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 倉田 直人 九州共立大 65m83 1 勝山 眸美 筑波大 60m56
2 保坂 雄志郎 筑波大 65m82 2 居川 汐里 四国大 58m40
3 墨 訓熙 中京大 64m57 3 福島 美沙希 九州共立大 57m54
4 佐藤 一濤 日本大 63m55 4 大ア かな 筑波大 56m48
5 堀 健斗 順天堂大 63m13 5 田中 美花 鹿屋体育大 55m76
やり投
 近年日本男子の活躍が著しい種目。男子800g、女子600gのやりを投げる。一番「投げている」感はあるが、実は、素人ではまっすぐ投げる事さえ難しい。
 男子では、恵良友也(日本体育大)がランキングトップ。それに次ぐのは、関西インカレで75mに迫る好投てきを見せた高橋輝(大阪体育大)。ディーン元気(早稲田大)や新井涼平(国士舘大)のような飛び抜けた選手がいないだけに、白熱の戦いが期待される。
 女子では、ジュニア日本記録保持者の久世生宝(筑波大)が、本大会でもジュニア日本記録更新を目指す。さらには、日本学生個人で久世を下した右代織江(国士舘大)、世界ジュニアファイナリストの當間汐織(九州共立大)、関西の2年生コンビである山内愛(大阪成蹊大)と瀧川寛子(東大阪大)、日本学生記録保持者の佐藤友佳(東大阪大)など、注目選手の多さは屈指の種目。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 恵良 友也 日本体育大 75m04 1 久世 生宝 筑波大 58m98
2 高橋 輝 大阪体育大 74m92 2 右代 織江 国士舘大 55m89
3 齋藤 文孝 日本大 74m47 3 當間 汐織 九州共立大 55m75
4 今田 直弥 日本大 74m28 4 山内 愛 大阪成蹊大 55m73
5 南 隆司 大阪体育大 74m24 5 瀧川 寛子 東大阪大 54m94
十種競技・七種競技
 2日間で、男子は10種目、女子は7種目を戦う、陸上で最も過酷な種目。この種目の王者は「キング・オブ・アスリート」、「クイーン・オブ・アスリート」と呼ばれる。2日間を戦い抜いた選手たちには仲間意識が生まれ、最終種目の男子1500m、女子800mを終えた後の選手たちの絆は、感動を呼ぶ。
 男子の資格記録トップは、川ア和也(順天堂大)。昨年十種競技で15点を獲得し、混成優勝を成し遂げた「混成王国」順天堂大の血を受け継ぐ優勝なるか。昨年本大会3位の清水剛士(中京大)、昨年4位の篠原貴好(関西学院大)なども力がある。
 女子では、西村莉子(立命館大)が資格記録トップ。昨年4位の松原恵、高校2年生の時にインターハイを制した伊藤明子など、昨年混成優勝の筑波大が今年も資格記録で上位に食い込んでいる。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 川ア 和也 順天堂大 7515点 1 西村 莉子 立命館大 5211点
2 清水 剛士 中京大 7413点 2 松原 恵 筑波大 5205点
3 篠原 貴好 関西学院大 7406点 3 伊藤 明子 筑波大 5177点
4 谷 浩二朗 筑波大 7316点 4 宇都宮 絵莉 園田学園女子大 5145点
5 武内 勇一 東京学芸大 7205点 5 山岡 未与 東大阪大 5099点

4×100mR

 個人種目がほとんどの陸上競技の中では珍しい団体競技であるリレー。その中でも4×100mRは花形だろう。個々の走力だけでなく、バトンパス短縮の工夫、走順によって直走路か曲走路かが異なることによるオーダーの妙など、様々な細かい技術がものを言う種目でもある。
 男子では、法政大が資格記録トップだが、2位の中央大、3位の日本大、4位の東洋大までは0.5秒以内の範囲内であり、当日のコンディションによっていくらでも順位変動は起こりうる。
 女子では、環太平洋大が資格記録トップ。昨年も資格記録トップで乗り込みながら3位に終わっており、リベンジを狙う。昨年その環太平洋大を破り2位に入った青山学院大も十分優勝を狙え、その他、福岡大・甲南大など、各地区に実力のあるチームが揃う。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 法政大 39.05 1 環太平洋大 45.82
2 中央大 39.12 2 福岡大 45.87
3 日本大 39.35 3 甲南大 45.89
4 東洋大 39.54 4 青山学院大 46.11
5 日本体育大 39.79 4 大阪成蹊大 46.11

4×400mR

 通称「マイルリレー」と呼ばれ、対校戦では、最終種目として行われることが多い。3日間を戦い抜いた選手たちが、最後の力を振り絞ってバトンをつなぐ姿は、感動を呼ぶ。また、時にはこの最終種目で優勝が決まる場面もあり、緊迫した熱戦が繰り広げられる。
 男子では、中央大学が資格記録トップ。昨年4×100mR・4×400mRをともに制しており、今年もその再現を狙う。そのほか、日本体育大学、800mの日本記録保持者・川元奨を擁する日本大学、トワイライト・ゲームスを制した慶應義塾大学などが優勝を狙う。
 女子では、東大阪大学がランキング1位。新宮美歩・三木汐莉という昨年までのエース級の選手は抜けたが、安定した力を保持している。2位には今季400m学生ランキングトップの小田垣亜樹を擁する立命館大、3位には大阪成蹊大が入り、関西勢が上位を占める。

【資格記録上位ランキング】
男子 女子
1 中央大 3:07.02 1 東大阪大 3:42.51
2 日本体育大 3:07.08 2 立命館大 3:42.65
3 日本大 3:07.93 3 大阪成蹊大 3:42.84
4 慶應義塾大 3:08.01 4 日本体育大 3:43.16
5 東洋大 3:08.10 5 中京大 3:43.53