100m
スタート前の一瞬の静寂。号砲と同時に解き放たれる10秒間の力の爆発。まさに、陸上競技の花形といえるこの種目。
男子では、ユニバーシアード代表の諏訪達郎、昨年日本選手権3位の女部田祐、昨年アジアジュニア金メダリストの川上拓也ら、中央大勢がランキング上位を占める。対するは、関東ICで2位に入るなど好調の長田拓也(法政大)や一昨年のカザンユニバーシアード代表の与那国塁(中京大)。近藤晃(関西学院大)ら1年生もランキング上位に多数食い込む。湘南の追い風に乗り、流れを制せば好記録も期待できる。
女子では、青木益未(環太平洋大)、藤森安奈(青山学院大)、青山聖佳(大阪成蹊大)と、昨年のアジア大会代表が3名エントリーした。特に藤森は、昨年、本大会と日本ICの2冠を達成。本大会は連覇を狙っての出場となる。ランキングトップは、1年生ながら足立紗矢香(青山学院大)。昨年の日本ジュニアを制した松本沙耶子(都留文科大)、昨年の日本IC2位・3位の宮澤有紀(富山大)・丹羽愛利彩(中京大)など、実力者が多数。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 女部田 祐 | 中央大 | 10.25 | 1 | 足立 紗矢香 | 青山学院大 | 11.66 |
2 | 川上 拓也 | 中央大 | 10.33 | 2 | 宮澤 有紀 | 富山大 | 11.68 |
3 | 長田 拓也 | 法政大 | 10.35 | 2 | 丹羽 愛利彩 | 中京大 | 11.68 |
4 | 与那国 塁 | 中京大 | 10.35 | 2 | 青木 益未 | 環太平洋大 | 11.68 |
4 | 近藤 晃 | 関西学院大 | 10.36 | 5 | 藤森 安奈 | 青山学院大 | 11.70 |
200m
スプリントの花形、100mに比べて地味な印象のこの種目だが、実は、曲走路の走りが勝負を分ける、速さと技術がものを言う味のある種目でもある。
男子のランキングトップは、猶木雅文(中央大)。今年はまだ納得のレースが出来ていないが、実力は十分で、自己記録に近い記録を出せば、昨年大瀬戸一馬(法政大)の出した大会記録の更新も期待できる。対するは、関東以外の短距離陣では最強と目される寺田健人(中京大)。東海ICでは100mを10秒41で制し、調子は悪くない。森雅治(大東文化大)や日吉克実(中央大)など、昨年ジュニア世代の一線で活躍したメンバーにも力がある。
女子では、ランキングトップは、青山聖佳(大阪成蹊大)。松江商高時代の昨年、全国IHで200mと400mの2冠(100mは2位)、アジア大会代表など躍進を遂げ、今年に入っても、ワールドリレーズ・アジア選手権等、国際大会代表に軒並み名を連ねているマルチスプリンター。対するは、昨年の日本ICチャンピオン・土橋智花(岩手大)や、3年連続出場で一昨年の本大会チャンピオンのチャイニーズ・タイペイ、徐詠潔(国立台湾師範大)らか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 猶木 雅文 | 中央大 | 20.44 | 1 | 青山 聖佳 | 大阪成蹊大 | 23.86 |
2 | 寺田 健人 | 中京大 | 20.69 | 2 | 塩谷 寛美 | 駿河台大 | 23.92 |
3 | 森 雅治 | 大東文化大 | 20.71 | 3 | 中村 水月 | 大阪成蹊大 | 23.99 |
4 | 猪口 悠太 | 法政大 | 20.73 | 4 | 土橋 智花 | 岩手大 | 24.16 |
5 | 徳山 黎 | 早稲田大 | 20.83 | 5 | 佐藤 日奈子 | 大東文化大 | 24.22 |
| 5 | 久貝 瞳 | 園田学園女子大 | 24.22 |
400m
短距離種目では最長のこの種目。トラック1周を50秒以内で駆け抜けるが、最後の直線は、選手にとっては永遠に感じられると言う。
男子では、ランキング最上位の堀井浩介(城西大)が、関東ICで2位に入るなど、今年一気にブレイク。関東ICでの4×400mR城西大初制覇の原動力となり、勢いに乗っている。対する油井快晴(順天堂大)は、高校時代から抜群の成績を誇り、昨年の世界ジュニアでは4×400mRでジュニア日本記録を達成したメンバーに入った。今季は故障で出遅れていたが、関東ICの4×400mRで復帰。この大会に完全復活を賭ける。
女子では、昨年、高校生ながら日本選手権を制した松本奈菜子(筑波大)がランキングトップ。学生で初タイトルにも期待。今年の関東ICでその松本らを破って初優勝を果たしたのが、ランキング2位の新宅麻未(中央大)。一昨年の本大会では2位で惜しくも逃した学生初の全国タイトル獲得を目指す。一昨年大会でその新宅を破って優勝したのが、名倉彩夏(中京大)。一昨年・昨年と本大会2連覇中で相性の良い大会。好記録での3連覇を狙う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 堀井 浩介 | 城西大 | 46.15 | 1 | 松本 奈菜子 | 筑波大 | 53.59 |
2 | 油井 快晴 | 順天堂大 | 46.68 | 2 | 新宅 麻未 | 中央大 | 54.06 |
3 | 矢野 琢斗 | 法政大 | 46.69 | 3 | 森 美悠 | 日本体育大 | 54.44 |
4 | 茅田 昂 | 慶應義塾大 | 46.70 | 4 | 西田 文香 | 神戸大 | 54.64 |
5 | 福永 拓哉 | 日本大 | 46.71 | 5 | 樫山 楓 | 至学館大 | 55.00 |
800m
400mトラックを2周。最初から引っ張るか、最後のスパートに賭けるかなど、駆け引きが非常に重要な種目で、心技体すべてが要求される。
男子では、近年、日本記録保持者の川元奨などを擁して「中距離王国」の名をほしいままにした日本大勢が、ランキング上位10名のうち4名を占める。しかし昨年以降、関西勢がこの種目で一気に力をつけている。最注目は、昨年の日本ICで川元を破った櫻井大介(京都大)。関西ICで奪われた関西学生記録の奪回も目指す。昨年日本IC3位の田中智則(近畿大)も、関西4回生中距離カルテットの一角。関西勢として初めて、この種目制覇なるか。
女子では、山田はな(東京学芸大)がランキングトップ。関東ICでは、2分7秒台を2回記録して初優勝。安定した実力を発揮している。対するは、小野莉奈・新宮美歩の福島大勢と、昨年の日本ジュニア覇者・北村夢(日本体育大)。2分7秒台の資格記録を持つこの4名を軸に、優勝争いが展開されそう。昨年まで2年連続して学生が日本選手権を制しているこの種目で、日本トップレベルの戦いに期待したい。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 櫻井 大介 | 京都大 | 1:49.14 | 1 | 山田 はな | 東京学芸大 | 2:07.40 |
2 | 田中 智則 | 近畿大 | 1:49.45 | 2 | 小野 莉奈 | 福島大 | 2:07.58 |
3 | 保坂 貴昭 | 日本大 | 1:49.54 | 3 | 北村 夢 | 日本体育大 | 2:07.77 |
4 | 田中 言 | 早稲田大 | 1:49.81 | 4 | 新宮 美歩 | 福島大 | 2:07.93 |
5 | 福永 拓哉 | 日本大 | 1:49.87 | 5 | 竹内 麻里子 | 中京大 | 2:08.02 |
1500m
800mと同様に、頭を使うことも要求される種目。4分間の間に先頭の入れ替わりやスパート合戦など、さまざまな展開が繰り広げられ、見ごたえもある。
男子では、昨年、1年生ながら本大会を制したラザラス・モタンヤ(桜美林大)が2連覇を狙う。関東ICは欠場し、調子は未知数だが、実力的には一歩抜け出ている。コンディション次第では、大会記録も狙える。対する日本人勢は、関東ICでこの種目日本人トップの冨田三貴らが、モタンヤの連覇阻止を狙う。日本勢としては、モタンヤにいかに序盤からの独走を許さないかがポイントになる。
女子では、ランキングトップは内山千夏(玉川大)だが、山田日菜野(東洋大)、康本花梨(日本体育大)をはじめ、ランキング上位10名に1年生が4名食い込み、若い力の台頭に期待。新井沙紀枝(大阪学院大)は、10000m・ハーフマラソンでユニバーシアード代表入りしているが、もともとは1500mで実力を磨いてきた選手であり、スピードは十分。高見澤安珠(松山大)は、3000mSCとの2冠を狙える。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | ラザラス・モタンヤ | 桜美林大 | 3:44.89 | 1 | 内山 千夏 | 玉川大 | 4:19.26 |
2 | 冨田 三貴 | 東海大 | 3:47.20 | 2 | 山田 日菜野 | 東洋大 | 4:21.52 |
3 | 永信 明人 | 神奈川大 | 3:49.64 | 3 | 康本 花梨 | 日本体育大 | 4:21.81 |
4 | 池山 謙太 | 早稲田大 | 3:49.78 | 4 | 新井 沙紀枝 | 大阪学院大 | 4:22.91 |
5 | 生井 宏明 | 東洋大 | 3:49.92 | 5 | 白鳥 さゆり | 順天堂大 | 4:23.12 |
5000m
この大会唯一の長距離種目(競歩除く)。今や長距離種目は、言わずと知れた人気種目だが、梅雨時の蒸し暑さに選手が以下に対応していくかにも注目。
男子は、ランキングトップは、川端千都(東海大)。昨年は世界ジュニアの代表として活躍したが、今季、ユニバーシアード選考会で相次いで好成績を残し、ユニバーシアード代表入り。ユニバーシアードに向けて調子を上げていきたい。さらに、年始の箱根駅伝を制して波に乗る青山学院大勢が多数エントリー。中でも、5000mのランキングは下位だが、ハーフマラソンで日本人学生歴代3位の記録を持つ神野大地には注目が集まる。
女子では、昨年の世界ジュニア代表・木村芙有加(大東文化大)がランキングトップ。昨年は世界大学クロカンでも学生代表となるなど、大舞台の経験豊富。さらに、ユニバーシアード代表からは、10000m・ハーフマラソン代表の新井沙紀枝(大阪学院大)、ハーフマラソン代表の上原明悠美(松山大)がエントリー。玉城かんな(名城大)、茶谷琴恵(日本体育大)ら、1年生で15分台の記録を持つ選手の活躍にも期待。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 川端 千都 | 東海大 | 13:54.80 | 1 | 木村 芙有加 | 大東文化大 | 15:42.40 |
2 | 石橋 安孝 | 東海大 | 13:55.85 | 2 | 新井 沙紀枝 | 大阪学院大 | 15:44.04 |
3 | 湊谷 春紀 | 東海大 | 13:57.29 | 3 | 上原 明悠美 | 松山大 | 15:47.02 |
4 | 中村 祐紀 | 青山学院大 | 13:57.40 | 4 | 唐沢 ゆり | 日本体育大 | 15:47.95 |
5 | 安藤 悠哉 | 青山学院大 | 13:57.75 | 5 | 玉城 かんな | 名城大 | 15:48.85 |
110mH・100mH
ハードルの高さは、男子では大人の腰くらいの高さ(1.067m)。全身を目いっぱいに使ってハードルを超えていく姿は、迫力を感じさせる。
男子110mHは、大会史上最高レベルの戦いになる。増野元太(国際武道大)は、昨年、日本選手権・日本ICを制し、アジア大会でも4位に入賞するなど、一気にこの種目の第一人者に。同所属の札場大輝(国際武道大)も、日本IC、今年の関東ICで共に増野に次ぐ2位に入り、実力は十分。さらに、高校記録保持者の古谷拓夢(早稲田大)が、関東ICで敗れたこの2人の間に割って入りたい。13秒台の記録を持つ選手が5人。ハイレベルな記録にも期待したい。
女子100mHでは、昨年の本大会覇者・青木益未(環太平洋大)と、スーパールーキー・ヘンプヒル恵(中央大)の争いか。青木は、昨年のこの大会を大会新で制すると、アジア大会代表にも選出される躍進の年となった。一方、ヘンプヒルは、京都文教高時代の昨年、日本選手権で3位に入ると、全国IH・日本ジュニアの2冠。今年に入っても、七種競技で日本学生記録を達成し、関東ICでは七種競技と100mHの2冠など、勢いは衰えを知らない。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 増野 元太 | 国際武道大 | 13.58 | 1 | 青木 益未 | 環太平洋大 | 13.35 |
2 | 札場 大輝 | 国際武道大 | 13.81 | 2 | ヘンプヒル 恵 | 中央大 | 13.47 |
3 | 古谷 拓夢 | 早稲田大 | 13.83 | 3 | 田中 杏梨 | 甲南大 | 13.53 |
4 | 田中 新也 | 筑波大 | 13.92 | 4 | 清山 ちさと | 筑波大 | 13.56 |
5 | 川村 直也 | 筑波大 | 13.99 | 5 | 西野 愛梨 | 東京学芸大 | 13.66 |
400mH
400mを走る間に10台のハードルを越える。スピードとハードル技術の両方が問われる。ハードル間を何歩で刻むかなどにも注目してみると、人それぞれで面白い。
男子では、昨年、日本ジュニア・国体の2冠を達成した栗城アンソニー(国際武道大)がランキングトップ。ランキング上位3名は、いずれも関東ICでは準決勝にも残っておらず、誰が勝つか全く予想できない。むしろ、関西ICを制した上野晃平(同志社大)、2位に入った大林督享(近畿大)ら、関西勢にもチャンスがあるか。いずれにせよ、50秒を切るような学生選手がいない寂しい状況を打破する目覚ましい記録を期待したい。
女子では、伊藤明子(筑波大)とヘンプヒル恵(中央大)は、高校時代から七種競技で競ってきたライバル。伊藤が昨年のアジアジュニアで金メダルを獲得したのに対し、ヘンプヒルは日本ジュニアで100mHとの2冠。今年は、ともにアジア選手権代表に選ばれている。その2人を上回る資格記録を持つのが、西田文香(神戸大)。関西ICでは、ヤンマースタジアム長居の追い風を味方につけ、好記録をマークした。関西勢初のこの種目制覇を狙う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 栗城 アンソニー | 国際武道大 | 50.45 | 1 | 西田 文香 | 神戸大 | 58.45 |
2 | 松本 健志 | 中央大 | 50.50 | 2 | 伊藤 明子 | 筑波大 | 58.52 |
3 | 田辺 将大良 | 中央大 | 50.62 | 3 | ヘンプヒル 恵 | 中央大 | 58.59 |
4 | 大林 督享 | 近畿大 | 50.66 | 4 | 王子田 萌 | 立命館大 | 58.80 |
5 | 坂梨 雄亮 | 中央大 | 50.76 | 5 | 羽鳥 玲奈 | 中央大 | 59.46 |
3000mSC
3000mの中で障害物を28回、水郷を7回飛び越える、トラックで最も過酷な種目。
男子では、本命は、昨年1年生ながらこの大会を制した村島匠(順天堂大)。昨年は、アジアジュニアで銀メダルを獲得するなど、1年生ながら目覚ましい活躍だった。関東ICは振るわなかったが実力は十分であり、2連覇の可能性は十分。ランキング2位には、同じ順天堂大の後輩である續木悠也が入る。昨年の全国IHでは2位。関東ICでは1年生最高の6位に入るなど、実績を積み重ねている。
女子の優勝候補大本命は、高見澤安珠(松山大)。昨年の日本ICでジュニア日本新記録を樹立し、一躍注目を浴びると、今年の兵庫リレーカーニバルで優勝し、アジア選手権代表に選ばれた。学生として史上3人目となる9分台は、もうすぐそこに見えている。一方、兵庫リレーカーニバルで1年生ながら3位に入る大健闘を見せたのが、清水萌衣乃(東京農業大)。高見澤との実力差はやや大きいが、若い力の急成長にも期待したい。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 村島 匠 | 順天堂大 | 8:53.57 | 1 | 高見澤 安珠 | 松山大 | 10:00.99 |
2 | 續木 悠也 | 順天堂大 | 8:55.53 | 2 | 瀬川 帆夏 | 大東文化大 | 10:12.14 |
3 | 宮城 壱成 | 東海大 | 8:57.20 | 3 | 三島 美咲 | 松山大 | 10:20.41 |
4 | 秋間 正輝 | 帝京大 | 8:58.62 | 4 | 清水 萌衣乃 | 東京農業大 | 10:21.02 |
5 | 藤崎 真伍 | 流通経済大 | 9:02.66 | 5 | 丹羽 七海 | 中央大 | 10:25.70 |
10000mW
今大会唯一の競歩種目。両足が同時にグラウンドから離れていないか(ロス・オブ・コンタクトになっていないか)、前脚が接地の瞬間から垂直の位置になるまでまっすぐに伸びているか(ベント・ニーになっていないか)、よく目を凝らして見てほしい。
男子は、2年生に好選手が揃った。ランキング上位2名は、共に東洋大の山下優嘉・及川文隆。及川は、昨年のアジアジュニア金メダリスト。ランキング3位の山西利和(京都大)にも、実力は十分。一昨年の世界ユース金メダリストで、今年は日本学生20km競歩選手権で及川を上回る4位に入り、ユニバーシアード選考に最後まで絡んだ。世界と戦える種目だけに、世界レベルの戦いを期待。
女子では、最も注目すべきは、五藤怜奈(中部学院大)。昨年の本大会を制すると、その後に行われた世界ジュニアでは6位入賞を果たし、日本IC、今年3月の日本学生20km競歩も制し、「学生競歩3冠」を達成した。本大会は、2連覇、そして学生として4つ目のタイトルを狙う。さらに、昨年の世界ジュニアで五藤につぐ7位に入った峰村かな(岩手大)、全国IHでその峰村を破って優勝した松本紗依(順天堂大)など、1年生にも実力者が多数揃う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 山下 優嘉 | 東洋大 | 39:56.78 | 1 | 五藤 怜奈 | 中部学院大 | 45:54.07 |
2 | 及川 文隆 | 東洋大 | 40:05.84 | 2 | 峰村 かな | 岩手大 | 46:22.88 |
3 | 山西 利和 | 京都大 | 40:40.96 | 3 | 高山 瑞佳 | 新潟医療福祉大 | 47:11.13 |
4 | 山田 康太 | 順天堂大 | 41:09.73 | 4 | 八木 望 | 東京学芸大 | 47:38.85 |
5 | 大内 穂高 | 東京学芸大 | 41:11.24 | 5 | 河添 香織 | 立命館大 | 47:42.93 |
走高跳
「高さの跳躍」と呼ばれる跳躍種目の1つ。助走のリズムと、スピードを高さに変える技術力、バーに触れずにマットに着地する身のこなしが重要。
男子では、資格記録上は2m20だが、関東ICで2m28を跳んで世界選手権標準記録を突破した平松祐司(筑波大)に最も注目したい。昨年は、全国IH、国体の2冠を達成し、今年はユニバーシアードの代表にも選ばれるなど、優勝候補の大本命。対抗馬は、本大会2連覇中の佐藤凌(東海大)、昨年の日本ジュニアを制し、北信越ICで北信越学生記録となる2m21を跳んで勢いに乗る大田和宏(金沢星稜大)らか。
女子は、1年生に実力者がそろった。とりわけ注目は、津田シェリアイ(東大阪大)。昨年の日本ジュニアで優勝すると、今年の静岡国際では、第一人者の福本幸(甲南大AC)らを抑えて1m81の自己記録で優勝した。その津田と静岡国際で競り合い、同記録の1m81ながら敗れたのが、4年生の相馬由佳(愛知教育大)。上級生の意地を見せたい。1年生の仲野春花(早稲田大)は、昨年の全国IHチャンピオン。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 中澤 優 | 東海大 | 2m22 | 1 | 相馬 由佳 | 愛知教育大 | 1m81 |
2 | 大田 和宏 | 金沢星稜大 | 2m21 | 1 | 津田 シェリアイ | 東大阪大 | 1m81 |
3 | 平松 祐司 | 筑波大 | 2m20 | 3 | 仲野 春花 | 早稲田大 | 1m78 |
4 | 赤松 諒一 | 岐阜大 | 2m18 | 4 | 石井 ゆりこ | 至学館大 | 1m76 |
5 | 松本 修一 | 福岡大 | 2m17 | 4 | 徳本 鈴奈 | 福岡大 | 1m76 |
棒高跳
陸上競技の中で、最も「高い」場所で行われる種目。男子では5mをはるかに超える高さまで舞い上がり、見上げる高さのバーに触れもせずに超えていく。男子棒高跳は、フィールド種目で数少ない、日本が世界と戦える種目。
男子では、一昨年にこの大会で日本学生記録を樹立した山本聖途(当時・中京大)のようなずば抜けた記録を持つ選手はいないが、学生トップレベルの選手が揃った。ランキング最上位は山本智貴(日本体育大)。昨年はゴールデンGPにも出場するなど、トップ選手の仲間入りをした。山方諒平(大阪教育大)は昨年の日本ICチャンピオン。さらに、昨年の全国IH・日本ジュニアチャンピオンである澤慎吾(日本大)も、若い力で学生初タイトルを狙う。
女子のランキングトップは、昨年の日本IC覇者・榎本優子(筑波大)。自己記録は4m00で、昨年竜田夏苗(武庫川女子大)が達成した4m01の大会記録更新も狙える。さらに、1年生にも、昨年の国体覇者の那須眞由(園田学園女子大)、日本ジュニア覇者の若園茜(筑波大)ら有力選手が多数。近年、男女ともに好記録が出ているこの種目で、ますますハイレベルな争いに期待したい。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 山本 智貴 | 日本体育大 | 5m42 | 1 | 榎本 優子 | 筑波大 | 4m00 |
2 | 鈴木 康太 | 中京大 | 5m30 | 2 | 蕪野 亜紀 | 清和大 | 3m80 |
2 | 山方 諒平 | 大阪教育大 | 5m30 | 2 | 鈴木 里菜 | 日本体育大 | 3m80 |
4 | 澤 慎吾 | 日本大 | 5m25 | 2 | 斉藤 希望花 | 中京大 | 3m80 |
5 | 植松 倫理 | 筑波大 | 5m20 | 2 | 間宮 里菜 | 中京大 | 3m80 |
5 | 船本 稜矢 | 日本体育大 | 5m20 | 2 | 那須 眞由 | 園田学園女子大 | 3m80 |
5 | 榎 将太 | 中京大 | 5m20 | |
5 | 有明 徹也 | 関西学院大 | 5m20 | |
5 | 日置 健也 | 関西学院大 | 5m20 | |
走幅跳
助走のスピードを跳躍力に変え、宙を舞って砂場に着地する。スピードが肝心だが、空中での姿勢や、1センチ単位での助走開始位置の調整など、細かな技術もものを言う。
男子では、ランキングトップは、7m77の小田大樹(日本大)だが、7m70を超える資格記録を持つ選手が3名おり、誰が勝つか分からない。特に、城山正太郎(東海大北海道)は、昨年のアジアジュニア・世界ジュニアで共に銅メダルを獲得し、今年もユニバーシアード選考の兵庫リレーカーニバルで学生トップの成績を収めるなど、大舞台に強さを発揮してきた。松添基理(法政大)も、1年生ながら春先から好調で、大学初タイトルも期待できる。
女子のランキングトップは、中川秋奈(九州共立大)。今年に入って急成長しており、三段跳とともに、本大会2種目で日本人トップの資格記録を持つ。日本GPシリーズでも好成績を収めており、好調をキープしている。対するは、資格記録ランキング2位の利藤野乃花(東京学芸大)。同じ大学の後輩として入学してきた昨年全国IH・日本ジュニア覇者の水口怜に刺激を受けており、関東ICでは東京学芸大で1位・2位を独占した。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 小田 大樹 | 日本大 | 7m77 | 1 | 中川 秋奈 | 九州共立大 | 6m18 |
2 | 松添 基理 | 法政大 | 7m74 | 2 | 利藤 野乃花 | 東京学芸大 | 6m11 |
3 | 城山 正太郎 | 東海大北海道 | 7m72 | 3 | 千葉 瑞穂 | 日本体育大 | 6m10 |
4 | 外川 天寿 | 岐阜経済大 | 7m68 | 4 | 原田 彩希 | 九州共立大 | 6m09 |
5 | 中村 亮 | 中央大 | 7m63 | 5 | 福西 穂乃佳 | 京都教育大 | 6m04 |
| 5 | 辻本 愛莉香 | 大阪成蹊大 | 6m04 |
三段跳
ホップ・ステップ・ジャンプの三段のリズムで、10mを超える距離を稼ぐ。よく観察すると、人によってホップ・ステップ・ジャンプそれぞれで稼ぐ距離の割合も微妙に違っており、そういった細かな違いに目を向けるのも醍醐味の一つ。
男子では、昨年の本大会覇者で昨年日本選手権でも2位に入っている佐脇匠(愛知教育大)がランキングトップで、2連覇を狙う。佐脇の2連覇を阻止すべく虎視眈々と狙っているのは、昨年の日本選手権では佐脇に敗れて3位だった米澤宏明(筑波大)。この2人を軸に戦いが展開することになれば、日本選手権上位者の争いとなる。湘南の浜風の勢いを借りて、16mを超える好勝負に期待したい。
女子では、チャイニーズ・タイペイから、昨年の優勝者・洪珮寧(国立台湾師範大)が今年も参加。資格記録は、参加選手中で唯一13mを超えており、実力的にはやや抜きん出ているか。それに対するは、走幅跳との2冠も狙える中川秋奈(九州共立大)。さらに、一昨年1年生ながら本大会を好記録で制した剱持早紀(筑波大)も、2連覇を狙いながら洪に敗れた昨年のリベンジを狙う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 佐脇 匠 | 愛知教育大 | 16m13 | 1 | 洪珮寧 | 国立台湾師範大 | 13m17 |
2 | 米澤 宏明 | 筑波大 | 15m91 | 2 | 中川 秋奈 | 九州共立大 | 12m72 |
3 | 阿比留 明久 | 福岡大 | 15m87 | 3 | 一村 リサ | 電気通信大 | 12m67 |
4 | 杉岡 優磨 | 中央大 | 15m84 | 4 | 剱持 早紀 | 筑波大 | 12m62 |
5 | 犬井 亮介 | 筑波大 | 15m77 | 5 | 永山 優 | 大阪成蹊大 | 12m56 |
砲丸投
世界レベルの選手でも20m程度の記録と、投てき種目の中では、地味に思われがちな種目。しかし、砲丸の重さは男子で7.260kgとハンマー投と並んで最も重いため、パワーが非常にものを言う豪快さが魅力でもある。一方、人によって回転投法かグライド投法かが異なるなど、細かい技術面にも注目したい。
男子では、チャイニーズ・タイペイの林祐霆(台北市立大)がランキングトップ。日本勢では、関東ICで表彰台を独占した日本大勢から、関東IC2位と3位の筒井崇広・武田歴次がランキング上位を占める。チャイニーズ・タイペイと日本の学生トップレベルの選手が平塚の地で競い合う。本大会の醍醐味が見られることになりそう。両国で切磋琢磨し、ハイレベルの記録が出ることを期待したい。
女子では、太田亜矢(福岡大)が今季に入って急成長を遂げている。4月の選抜陸上和歌山で九州学生史上初となる15mを投げると、その後大会のたびに記録を伸ばし、西日本ICで15m71まで記録を伸ばしてきた。対するは、昨年の本大会覇者であり、昨年日本選手権では3位に入った松田昌己(国士舘大)。関東ICでは4連覇を達成し、最優秀選手にも選ばれた。勢いそのままに、2連覇を狙う。太田と同じ福岡大の西川チカコは、昨年の全国IH覇者。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 林祐霆 | 台北市立大 | 16m88 | 1 | 松田 昌己 | 国士舘大 | 15m43 |
2 | 筒井 崇広 | 日本大 | 16m84 | 2 | 太田 亜矢 | 福岡大 | 15m27 |
3 | 武田 歴次 | 日本大 | 16m52 | 3 | 山本 舞 | 大阪体育大 | 15m14 |
4 | 村上 輝 | 国士舘大 | 16m31 | 4 | ョ俐君 | 国立体育大 | 15m12 |
5 | 申田 真也 | 東海大 | 16m17 | 5 | 佐賀 衣里子 | 東海大 | 14m59 |
円盤投
ハンマー投と並んで、ネットに囲まれたサークル内でターンをして円盤を遠くに飛ばす。教科書などで、よく円盤投をしている男性の像の写真が掲載されるように、古代オリンピックからあった歴史ある種目。円盤の重さは、男子2kg、女子1kg。
男子では、昨年、本大会と日本ICの2冠を達成した安保建吾(東海大)がランキングトップ。今年の関東ICも大会新記録で制し、調子は悪くない。ランキング2位は、同じく東海大の昨年の日本選手権で2位に入った米沢茂友樹。今年も、兵庫リレーカーニバルで安保に勝利するなど、両者の実力は拮抗している。東海大勢の争いに割って入りたいのは、昨年の日本ICで2位・3位に入った小林寛雅(順天堂大)と湯上剛輝(中京大)。
女子では、唯一50m台の資格記録を持つのが、藤森夏美(順天堂大)。昨年の日本ジュニア覇者で、アジアジュニアでは銅メダルを獲得した。今年に入っても、兵庫リレーカーニバルで学生トップをマークし、関東ICでも他を寄せ付けずに圧勝した。対するのは、関東ICで2位・4位の筑波大コンビ、知念莉子と辻川美乃利か。中村枝理子(鹿屋体育大)、今あかり(北翔大)等、地方大学のランキング上位者にも注目したい。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 安保 建吾 | 東海大 | 55m79 | 1 | 藤森 夏美 | 順天堂大 | 50m47 |
2 | 米沢 茂友樹 | 東海大 | 55m18 | 2 | 知念 莉子 | 筑波大 | 47m86 |
3 | 湯上 剛輝 | 中京大 | 53m62 | 3 | 辻川 美乃利 | 筑波大 | 47m66 |
4 | 小林 寛雅 | 順天堂大 | 52m94 | 4 | 中村 枝理子 | 鹿屋体育大 | 47m31 |
5 | 小岩 晴樹 | 順天堂大 | 51m55 | 5 | 石井 明日夏 | 東京女子体育大 | 46m94 |
ハンマー投
室伏広治の活躍などで、一番なじみのある投てき種目かもしれない。男子7.260kg、女子4kgのハンマーを60m以上飛ばすには、上半身と下半身のバランスのとれた身体能力が不可欠。なお、ハンマー投のみは、東海大学湘南校舎陸上競技場で行われる。
男子では、学生トップはその東海大の名城政臣。出身も神奈川であり、完全にホームの環境の中で4年生にしての初タイトルを十分に狙える位置につけている。しかし、ランキング2位の堀健斗(順天堂大)、植松直紀(中京大)も実力的にはほぼ同等であり、緊迫した戦いが期待できる。
女子では、福島美沙希・本村夏鈴・有本愛美の九州共立大勢が、ランキング上位3名を独占。ランキングトップは福島だが、この3名の争いとなった九州ICでは、有本が56m20の自己記録で優勝した。さらに、本村は昨年の日本ジュニア優勝者であり、3名の実力は拮抗している。佐伯珠実(立命館大)や吉川奈緒(福岡大)らは、九州共立大勢の表彰台独占を阻むことができるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 名城 政臣 | 東海大 | 65m08 | 1 | 福島 美沙希 | 九州共立大 | 57m54 |
2 | 堀 健斗 | 順天堂大 | 64m83 | 2 | 本村 夏鈴 | 九州共立大 | 57m43 |
3 | 植松 直紀 | 中京大 | 63m77 | 3 | 有本 愛美 | 九州共立大 | 56m20 |
4 | 木村 太一 | 京都産業大 | 63m72 | 4 | 佐伯 珠実 | 立命館大 | 55m66 |
5 | 根本 太樹 | 流通経済大 | 63m68 | 5 | 佐々木 千佳 | 九州共立大 | 55m06 |
やり投
近年日本男子の活躍が著しい種目。男子800g、女子600gのやりを投げる。一番「投げている」感はあるが、実は、素人ではまっすぐ投げる事さえ難しい。
男子では、ランキングトップは、森誉(中央大)。昨年の日本ICを制し、今年の織田記念でも学生トップの成績を残してユニバーシアード代表に選出されている。その森と最後までユニバーシアード代表を争ったメンバーが、ランキング2〜4位の恵良友也(日本体育大)、高橋輝(大阪体育大)、中西啄真(大阪体育大)。近年やり投の層を厚くしているチャイニーズ・タイペイからも古嘉和(私立輔仁大)もエントリーしており、拮抗した勝負が期待される。
女子は、史上最高レベルの選手が揃った。日本学生歴代2位の自己記録を持つ久世生宝(筑波大)と、歴代3位の記録を持つ山内愛(大阪成蹊大)を軸に進みそう。久世は昨年の日本IC覇者で、昨年の世界ジュニア代表。山内は昨年日本選手権3位、日本IC2位だが、今季一気に自己記録を伸ばし、アジア選手権・ユニバーシアード代表に選ばれた。他にも、昨年の世界ジュニア代表の當間汐織(九州共立大)ら、有力選手を挙げていけばきりがない。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 森 誉 | 中央大 | 75m59 | 1 | 山内 愛 | 大阪成蹊大 | 58m76 |
2 | 恵良 友也 | 日本体育大 | 75m04 | 2 | 久世 生宝 | 筑波大 | 57m97 |
3 | 高橋 輝 | 大阪体育大 | 74m92 | 3 | 斉藤 真理菜 | 国士舘大 | 57m90 |
4 | 中西 啄真 | 大阪体育大 | 74m56 | 4 | 加藤 瑞生 | 京都教育大 | 56m54 |
5 | 古嘉和 | 私立輔仁大 | 74m41 | 5 | 當間 汐織 | 九州共立大 | 55m77 |