100m
スタート前の一瞬の静寂。号砲と同時に解き放たれる10秒間の力の爆発。まさに、陸上競技の花形といえるこの種目。
男子は、リオ五輪代表で、6月の日本学生個人で10秒01の日本学生新記録をマークした桐生祥秀(東洋大)が優勝候補の大本命。リオ五輪予選敗退の悔しさを晴らすべく、2連覇に向け視界は良好。日本人初の9秒台にも期待したい。今季自己記録を出すなど好調のの大瀬戸一馬(法政大)も虎視眈々とタイトルを狙う。多田修平(関西学院大)ら、関東以外の選手の活躍にも期待。
女子は、本命不在の混戦が予想される。資格記録では、11秒56を持つ土井杏南(大東文化大)と宮澤有紀(富山大)がトップで並ぶが、ともに6月の日本選手権では決勝進出を逃した。一方、今季好調なのが、日本学生個人を制した前山美優(新潟医療福祉大)。同大学に初の日本IC金メダルをもたらすのか。エドバー・イヨバ(日本大)、壹岐いちこ(立命館大)ら強力な1年生にも注目。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 桐生 祥秀 | 東洋大 | 10.01 | 1 | 土井 杏南 | 大東文化大 | 11.56 |
2 | 大瀬戸 一馬 | 法政大 | 10.19 | 1 | 宮澤 有紀 | 富山大 | 11.56 |
2 | 長田 拓也 | 法政大 | 10.19 | 3 | エドバー イヨバ | 日本大 | 11.66 |
4 | 竹田 一平 | 中央大 | 10.27 | 3 | 前山 美優 | 新潟医療福祉大 | 11.66 |
4 | 多田 修平 | 関西学院大 | 10.27 | 3 | 壹岐 いちこ | 立命館大 | 11.66 |
200m
スプリントの花形、100mに比べて地味な印象のこの種目だが、実は、曲走路の走りが勝負を分ける、速さと技術がものを言う味のある種目でもある。
男子は、今季20秒55の自己記録をマークした大瀬戸一馬(法政大)がランキングトップ。桐生祥秀(東洋大)は、100mとの2冠を狙う。大瀬戸、昨年の覇者である長田拓也(法政大)に加え、谷口耕太郎(中央大)・諏訪達郎(中央大)と、昨年の光州ユニバーシアード4×100mRの金メダルメンバーが揃い踏み。川瀬孝則(日本体育大)も今季好調。史上最高レベルの決戦の幕切れは。
女子は、昨年の覇者・青山聖佳(大阪成蹊大)が今年も優勝候補の大本命。2年連続で400mとの2冠に挑む。資格記録上位4名を大阪成蹊大と甲南大が2名ずつ分け合い、関西勢のハイレベルな争いが期待される。日本学生個人を制した松田優美(環太平洋大)は、中四国学連所属選手としては32年ぶりのこの種目制覇を狙う。土井杏南(大東文化大)ら関東勢がどれだけ迫れるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 大瀬戸 一馬 | 法政大 | 20.55 | 1 | 青山 聖佳 | 大阪成蹊大 | 23.68 |
2 | 桐生 祥秀 | 東洋大 | 20.56 | 2 | 永野 真莉子 | 甲南大 | 23.96 |
3 | 長田 拓也 | 法政大 | 20.57 | 3 | 中村 水月 | 大阪成蹊大 | 23.99 |
4 | 川瀬 孝則 | 日本体育大 | 20.65 | 4 | 三宅 真理奈 | 甲南大 | 24.01 |
5 | 山下 潤 | 筑波大 | 20.67 | 5 | 土井 杏南 | 大東文化大 | 24.02 |
400m
短距離種目では最長のこの種目。トラック1周を50秒以内で駆け抜けるが、最後の直線は、選手にとっては永遠に感じられると言う。
男子は、リオ五輪代表のウォルシュ・ジュリアン(東洋大)が優勝候補筆頭。日本選手権では、五輪標準記録を突破する45秒35をマークして優勝を飾った。2連覇を狙う北川貴理(順天堂大)、一昨年の王者・加藤修也(早稲田大)、佐藤拳太郎(城西大)は、リオ五輪4×400mR代表。日本選手権は学生が上位を独占し、今大会も日本トップレベルの激戦が予想される。
女子は、青山聖佳(大阪成蹊大)が、2連覇に向けて視界良好。今年は日本選手権も制し、名実ともに日本のトップの座をほしいままにしている。その青山を関西ICで0.15秒差まで追い詰めたのが、1年生の石塚晴子(東大阪大)。うまく走れば、400mHとの2冠も期待できる。さらに、今季好調の樫山楓(至学館大)は、3位に入った日本選手権を上回る走りをすれば、頂点が見えてくる。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | ウォルシュ ジュリアンジャミィ | 東洋大 | 45.35 | 1 | 青山 聖佳 | 大阪成蹊大 | 53.04 |
2 | 北川 貴理 | 順天堂大 | 45.52 | 2 | 石塚 晴子 | 東大阪大 | 53.22 |
3 | 加藤 修也 | 早稲田大 | 45.71 | 3 | 樫山 楓 | 至学館大 | 53.76 |
4 | 小林 直己 | 東海大 | 45.91 | 4 | 岩田 優奈 | 中央大 | 53.79 |
5 | 佐藤 拳太郎 | 城西大 | 46.30 | 5 | 佐藤 日奈子 | 大東文化大 | 54.00 |
800m
400mトラックを2周。最初から引っ張るか、最後のスパートに賭けるかなど、駆け引きが非常に重要な種目で、心技体すべてが要求される。
男子は、昨年の覇者・新安直人(順天堂大)がランキングトップ。日本学生個人では、チャイニーズ・タイペイの選手には敗れたものの日本人トップは確保。関東IC1部で1年生ながら優勝を飾った西久保達也(早稲田大)は、前日本記録保持者・横田真人(慶應義塾大)以来の1年生優勝を狙う。関東IC2部覇者の大木学(千葉大)は、全種目通して同大学初の日本ICチャンピオンを狙う。
女子は、今季最も良いタイムを出しているのは、北村夢(日本体育大)。ゴールデンGPでマークした2分4秒57は学生歴代8位の好記録。日本IC初制覇を狙う。対抗馬は、同じく2分4秒台の記録を持つ卜部蘭、昨年の日本選手権・日本ICを制し、今年も日本選手権で2位に入るなど勝負強い山田はなの東京学芸大コンビか。医学生・広田有紀(秋田大)は、同大学初の日本IC覇者を目指す。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 新安 直人 | 順天堂大 | 1:48.32 | 1 | 北村 夢 | 日本体育大 | 2:04.57 |
2 | 西久保 達也 | 早稲田大 | 1:48.40 | 2 | 卜部 蘭 | 東京学芸大 | 2:04.86 |
3 | 三武 潤 | 日本大 | 1:48.56 | 3 | 広田 有紀 | 秋田大 | 2:05.63 |
4 | 渡辺 崇臣 | 日本体育大 | 1:48.90 | 4 | 山田 はな | 東京学芸大 | 2:06.00 |
5 | 市野 泰地 | 岐阜経済大 | 1:48.92 | 5 | 平野 綾子 | 筑波大 | 2:06.13 |
1500m
800mと同様に、頭を使うことも要求される種目。4分間の間に先頭の入れ替わりやスパート合戦など、さまざまな展開が繰り広げられ、見ごたえもある。
男子は、昨年の日本選手権者・荒井七海(東海大)が資格記録トップ。その荒井を日本学生個人で上回ったのが、ラザラス・モタンヤ(桜美林大)と阪口竜平(東海大)。2連覇を狙う井上弘也(上武大)、今年の日本選手権で学生として唯一入賞を果たした仲村尚毅(関西学院大)ら、上位選手の力の差は小さく、展開次第でどの選手にも勝ち目がある。
女子は、昨年のIHで800m・1500mの2冠を達成した向井智香(名城大)が、大学でも全国タイトルを狙う。対するは、関東ICを制し、日本選手権でも学生トップの5位に入った上田未奈(城西大)。昨年3位の実力者が、今年は表彰台の真ん中を狙う。さらに、関東ICでは上田の後塵を拝した小枝理奈(大東文化大)も実力的にはひけをとらず、混戦は必至か。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 荒井 七海 | 東海大 | 3:43.47 | 1 | 向井 智香 | 名城大 | 4:16.76 |
2 | 安齋 宰 | 順天堂大 | 3:43.58 | 2 | 上田 未奈 | 城西大 | 4:17.08 |
3 | 阪口 竜平 | 東海大 | 3:43.88 | 3 | 小枝 理奈 | 大東文化大 | 4:17.54 |
4 | 井上 弘也 | 上武大 | 3:44.12 | 4 | 内山 千夏 | 玉川大 | 4:19.26 |
5 | 林 竜之介 | 東海大 | 3:44.17 | 5 | 康本 花梨 | 日本体育大 | 4:21.81 |
5000m
400mトラックを12周半。今や長距離種目は、言わずと知れた人気種目だが、9月の猛暑に選手がいかに対応していくかにも注目。
男子は、関東IC長距離2冠のパトリック・マゼンゲ・ワンブィ(日本大)が、日本ICでも2冠を狙う。日本大の総合5連覇に向けた得点源となれるか。対するは、関東ICでワンブィに次ぐ2位につけた平和真(早稲田大)、昨年の日本ICで最後まで優勝争いを演じた一色恭志(青山学院大)。鬼塚翔太・館澤亨次・關颯人と、力のある1年生を揃えてきた東海大も、勢いに乗れば面白い。
女子は、大森菜月(立命館大)と新井沙紀枝(大阪学院大)が優勝争いの軸。1年生・2年生とこの大会2連覇を果たした大森と、その大森を昨年破った新井。今季も、新井が関西ICを制すると、大森は日本選手権で2年連続入賞を果たすなどお互い譲らない。そこに、7月にベストを出すなど伸び盛りの1年生・関谷夏希(大東文化大)や昨年3位の廣瀬亜美(関西大)らがどこまで絡めるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | Patrick MathengeWambui | 日本大 | 13:27.63 | 1 | 大森 菜月 | 立命館大 | 15:28.32 |
2 | 平 和真 | 早稲田大 | 13:38.64 | 2 | 関谷 夏希 | 大東文化大 | 15:33.95 |
3 | 一色 恭志 | 青山学院大 | 13:39.65 | 3 | 新井 沙紀枝 | 大阪学院大 | 15:40.64 |
4 | 鬼塚 翔太 | 東海大 | 13:43.61 | 4 | 廣瀬 亜美 | 関西大 | 15:45.38 |
5 | 坂口 裕之 | 明治大 | 13:45.73 | 5 | 棟久 由貴 | 東京農業大 | 15:49.37 |
10000m
今大会では最長の競走種目。400mトラックを25周という長丁場だが、それを感じさせないほど目まぐるしく勝負の駆け引きが行われる。長距離選手には厳しい残暑が予想され、暑さへの対応力も問われる。
男子は、パトリック・マゼンゲ・ワンブィ(日本大)が2連覇に挑む。昨年の日本IC・今年の関東ICと負けなしのワンブィに、両大会で2位のドミニク・ニャイロ(山梨学院大)がどこまで対抗できるか。日本勢では、3000mSCとの2冠も狙える、関東IC日本人トップの塩尻和也(順天堂大)らに注目。10年ぶりの日本人優勝にも期待したい。
女子は、昨年まで2連覇を果たした鍋島莉奈(鹿屋体育大)が卒業し、今年は混戦必至。そんな中、7月に今季学生トップの31分台をマークしたのが、東京農業大の1年生・棟久由貴。久馬悠(筑波大)以来の1年生優勝の期待もかかる。上原明悠美(松山大)、唐沢ゆり(日本体育大)、菅野七虹(立命館大)ら、ここ数年の学生女子長距離界を引っ張ってきた精鋭がそれに待ったをかけるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | Patrick MathengeWambui | 日本大 | 27:54.98 | 1 | 棟久 由貴 | 東京農業大 | 31:58.71 |
2 | Diminic・Nyairo | 山梨学院大 | 27:56.47 | 2 | 上原 明悠美 | 松山大 | 32:36.25 |
3 | 廣田 雄希 | 東海大 | 28:30.76 | 3 | 唐沢 ゆり | 日本体育大 | 32:40.81 |
4 | 塩尻 和也 | 順天堂大 | 28:32.85 | 4 | 松田 杏奈 | 松山大 | 32:54.41 |
5 | 町澤 大雅 | 中央大 | 28:43.51 | 5 | 菅野 七虹 | 立命館大 | 32:55.97 |
110mH・100mH
ハードルの高さは、男子では大人の腰くらいの高さ(1.067m)。全身を目いっぱいに使ってハードルを超えていく姿は、迫力を感じさせる。
男子は、関西ICで13秒72の自己記録をマークした鍵本真啓(立命館大)がランキングトップ。関西学連所属の選手が優勝すれば、1986年の手平裕紀(同志社大)以来実に30年ぶりとなる。古谷拓夢(早稲田大)は、7月のU20世界選手権でU20アジア記録をマークし、この種目日本人初のメダルを獲得。高山峻野(明治大)は昨年の日本選手権者。混戦が予想され、1つのミスが勝敗を分けそう。
女子は、下級生の頃から学生トップレベルの実力を保持しながらこの大会では力を発揮しきれていなかった青木益未(環太平洋大)が、最終学年で悲願の初優勝を狙う。対するは、昨年2位の田中杏梨(甲南大)。ともに、競り合って記録を伸ばせば、13秒15の学生記録も狙える実力を持つ。実学対抗を制したヘンプヒル恵(中央大)も、七種競技の疲労をはねのければ王座を狙える。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 鍵本 真啓 | 立命館大 | 13.72 | 1 | 青木 益未 | 環太平洋大 | 13.28 |
2 | 古谷 拓夢 | 早稲田大 | 13.73 | 2 | 田中 杏梨 | 甲南大 | 13.30 |
2 | 高山 峻野 | 明治大 | 13.73 | 3 | ヘンプヒル 恵 | 中央大 | 13.38 |
4 | 金井 大旺 | 法政大 | 13.77 | 4 | 安部 遥香 | 福島大 | 13.43 |
5 | 栗城 アンソニー | 国際武道大 | 13.84 | 5 | 中村 有希 | 関西大 | 13.46 |
400mH
400mを走る間に10台のハードルを越える。スピードとハードル技術の両方が問われる。ハードル間を何歩で刻むかなどにも注目してみると、人それぞれで面白い。
男子は、2連覇中の橋本孝興(日本大)が、ここ2年勝負強さを発揮している。日本ICに合わせてくる能力は随一で、成迫健児(筑波大)以来の3連覇に挑む。資格記録トップは、関東IC覇者の中野直哉(早稲田大)。実学対抗でリオ五輪ブラジル代表の杉町マハウを破った野口直人(順天堂大)にも勢いがある。49秒台の資格記録を持つ選手が5名おり、競り合って記録を伸ばしたい。
女子は、石塚晴子(東大阪大)が、日本記録保持者の久保倉里美(福島大)も成し遂げなかった1年生優勝に挑む。ゴールデンGPではジュニア日本新記録をマークし、その後も関西IC優勝、日本選手権3位など実績を積み重ねてきた。対するは、王子田萌・梅原紗月の立命館大コンビか。特に王子田は今季57秒台に突入し、日本選手権でも石塚と0.01秒差の4位に入るなど力を伸ばしている。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 中野 直哉 | 早稲田大 | 49.51 | 1 | 石塚 晴子 | 東大阪大 | 56.75 |
2 | 田辺 将大良 | 中央大 | 49.64 | 2 | 王子田 萌 | 立命館大 | 57.89 |
3 | 野口 直人 | 順天堂大 | 49.77 | 3 | 梅原 紗月 | 立命館大 | 58.02 |
4 | 橋本 孝興 | 日本大 | 49.89 | 4 | 福部 真子 | 日本体育大 | 58.26 |
5 | 渡部 佳朗 | 城西大 | 49.96 | 5 | 宮崎 紗希 | 中央大 | 58.51 |
3000mSC
3000mの中で障害物を28回、水郷を7回飛び越える、トラックで最も過酷な種目。
男子は、リオ五輪代表の塩尻和也(順天堂大)が優勝候補の大本命。日本選手権では惜しくも敗れたが、序盤から飛ばしていく積極性が魅力。37年間更新されていない最古の日本学生記録・新宅雅也(日本体育大)の8分25秒8を更新し、新たな時代の扉をこじ開けたい。日本学生個人に大会新記録で2連覇を飾った宮城壱成や関東IC2位の石橋安孝ら東海大勢がそれに続く。
女子は、高見澤安珠(松山大)の初優勝はほぼ間違いないか。日本選手権では、途中転倒しながらも意地の走りで優勝を飾り、リオ五輪の切符も手に入れた。自らの持つ日本学生記録、さらには9分33秒93の日本記録の更新ももはや時間の問題か。それに続くのが、10分を切る資格記録を持つ瀬川帆夏(大東文化大)、昨年の覇者・三島美咲(松山大)ら。まだ歴史の浅いこの種目の底上げに期待。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 塩尻 和也 | 順天堂大 | 8:31.89 | 1 | 高見澤 安珠 | 松山大 | 9:44.22 |
2 | 石橋 安孝 | 東海大 | 8:48.72 | 2 | 瀬川 帆夏 | 大東文化大 | 9:58.81 |
3 | 宮城 壱成 | 東海大 | 8:49.18 | 3 | 三島 美咲 | 松山大 | 10:05.94 |
4 | 小室 翼 | 東洋大 | 8:49.52 | 4 | 清水 萌衣乃 | 東京農業大 | 10:06.37 |
5 | 中野 光 | 大東文化大 | 8:50.32 | 5 | 北本 可奈子 | 名城大 | 10:08.05 |
10000mW
今大会唯一の競歩種目。両足が同時にグラウンドから離れていないか(ロス・オブ・コンタクトになっていないか)、前脚が接地の瞬間から垂直の位置になるまでまっすぐに伸びているか(ベント・ニーになっていないか)、よく目を凝らして見てほしい。
男子は、リオ五輪20kmWで日本人として初めての入賞を果たした松永大介(東洋大)が連覇に挑む。関東ICで自らがマークした38分18秒76の日本学生記録の更新にも期待がかかる。東洋大勢は、河岸良祐、及川文隆も資格記録で3位・4位につけ、上位独占を狙う。ランキング2位の山西利和(京都大)、昨年のユニバーシアード代表の野田明宏(明治大)らは、東洋大勢の席巻を阻止したい。
女子は、1年生のときから学生の主要大会負けなしの五藤怜奈(中部学院大)が連勝記録を伸ばしそう。ランキング2位の溝口友己歩(早稲田大)とは資格記録で1分以上の差があり、3連覇はほぼ間違いなさそう。自己記録を更新するレースをすれば、大会新記録、その先にある日本学生記録も見えてくる。溝口、八木望(東京学芸大)らは、五藤の独壇場に何とか一矢報いたい。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 松永 大介 | 東洋大 | 38:18.76 | 1 | 五藤 怜奈 | 中部学院大 | 45:13.53 |
2 | 山西 利和 | 京都大 | 39:28.63 | 2 | 溝口 友己歩 | 早稲田大 | 46:19.49 |
3 | 河岸 良祐 | 東洋大 | 39:39.49 | 3 | 高山 瑞佳 | 新潟医療福祉大 | 46:30.15 |
4 | 及川 文隆 | 東洋大 | 39:59.02 | 4 | 八木 望 | 東京学芸大 | 46:47.29 |
5 | 野田 明宏 | 明治大 | 40:00.09 | 5 | 熊谷 菜美 | 国士舘大 | 47:10.09 |
走高跳
「高さの跳躍」と呼ばれる跳躍種目の1つ。助走のリズムと、スピードを高さに変える技術力、バーに触れずにマットに着地する身のこなしが重要。
男子は、昨年の世界選手権代表・平松祐司(筑波大)が実力ではナンバーワン。しかし、今季は故障の影響もあり、思うような跳躍ができていない。昨年の関東ICで見せた目の覚めるような跳躍を再び見せられるか。平松が実力を発揮できなければ、日本選手権で自己記録を更新し2位入賞を果たした佐藤凌(東海大)、昨年の王者・赤松諒一(岐阜大)らが優勝争いをするだろう。
女子は、絶対的な力を持つ選手はおらず、混戦模様。資格記録トップは、昨年10月に1m82をマークした秦澄美鈴(武庫川女子大)。今年の関西ICでも優勝を飾った。それに迫るのが、今年の日本選手権でともに3位入賞を果たした津田シェリアイ(東大阪大)と仲野春花(早稲田大)。仲野は昨年の日本IC2位。石岡柚季・中西美早と力のある1年生コンビを揃えた日本女子体育大にも注目。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 平松 祐司 | 筑波大 | 2m28 | 1 | 秦 澄美鈴 | 武庫川女子大 | 1m82 |
2 | 佐藤 凌 | 東海大 | 2m25 | 2 | 津田 シェリアイ | 東大阪大 | 1m81 |
3 | 松本 修一 | 福岡大 | 2m24 | 3 | 仲野 春花 | 早稲田大 | 1m80 |
4 | 中澤 優 | 東海大 | 2m22 | 4 | 石岡 柚季 | 日本女子体育大 | 1m79 |
5 | 中島 大輔 | 日本大 | 2m21 | 5 | 平元 香葉 | 天理大 | 1m78 |
5 | 大田 和宏 | 金沢星稜大 | 2m21 | 5 | 徳本 鈴奈 | 福岡大 | 1m78 |
5 | 真野 友博 | 福岡大 | 2m21 | |
棒高跳
陸上競技の中で、最も「高い」場所で行われる種目。男子では5mをはるかに超える高さまで舞い上がり、見上げる高さのバーに触れもせずに超えていく。男子棒高跳は、フィールド種目で数少ない、日本が世界と戦える種目。
男子は、資格記録では、5m40で5名が並ぶ。その中では、昨年の覇者・山本智貴(日本体育大)が経験の面で一歩先んじているか。しかし、抜きん出た選手はおらず、混戦は必至。今季は高校生でも江島雅紀(荏田高)が5m43の高校新記録を記録しており、5m40では記録的には物足りない。拮抗した実力で競り合う中で自己記録を更新し、5m60の大会記録に迫るような跳躍を見せてほしい。
女子は、昨年3位の青柳唯(鹿屋体育大)が3m91でランキングトップ。同大学では仲田愛以来6年ぶりとなるこの種目の優勝に挑む。昨年4位の那須眞由(園田学園女子大)も、青柳とほぼ互角の3m90の資格記録を持つ。今年の日本選手権では学生唯一の入賞を果たした。6月の日本学生個人で青柳を同記録ながら破った鈴木里菜(日本体育大)も、タイトルを狙える位置につける。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 来間 弘樹 | 順天堂大 | 5m40 | 1 | 青柳 唯 | 鹿屋体育大 | 3m91 |
1 | 山本 智貴 | 日本体育大 | 5m40 | 2 | 那須 眞由 | 園田学園女子大 | 3m90 |
1 | 澤 慎吾 | 日本大 | 5m40 | 3 | 久保 愛菜 | 清和大 | 3m80 |
1 | 小木曽 優作 | 中京大 | 5m40 | 3 | 鈴木 里菜 | 日本体育大 | 3m80 |
1 | 鈴木 康太 | 中京大 | 5m40 | 3 | 間宮 里菜 | 中京大 | 3m80 |
| 3 | 金治 良佳 | 武庫川女子大 | 3m80 |
| 3 | 稲艸 夏姫 | 環太平洋大 | 3m80 |
走幅跳
助走のスピードを跳躍力に変え、宙を舞って砂場に着地する。スピードが肝心だが、空中での姿勢や、1センチ単位での助走開始位置の調整など、細かな技術もものを言う。
男子は、7月の実学対抗で8m01を記録した城山正太郎(東海大北海道)に勢いがある。北海道学連所属の選手として41年ぶり2人目の選手権獲得に挑む。同じく8mジャンパーの政知也(順天堂大)・山川夏輝(日本大)もはまった時の爆発力が魅力。成定駿介(関西学院大)は8月に追い風2.1mで8mを超える跳躍を経験しており、関西学連所属の選手として史上2人目の公認8mに挑む。
女子は、資格記録トップは、七種競技・110mHでも優勝を狙うヘンプヒル恵(中央大)。6月の日本選手権で自己記録となる6m28をマークして2位に入った。対して、関西ICでは主将として大阪成蹊大を初の総合優勝に導き、6月の日本学生個人で初の学生全国タイトルを獲得した末永成美、昨年の日本ICの覇者・福西穂乃佳(京都教育大)らがヘンプヒルの多種目優勝を阻止できるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 政 知也 | 順天堂大 | 8m03 | 1 | ヘンプヒル 恵 | 中央大 | 6m28 |
2 | 城山 正太郎 | 東海大北海道 | 8m01 | 2 | 末永 成美 | 大阪成蹊大 | 6m24 |
3 | 山川 夏輝 | 日本大 | 8m00 | 3 | 辻本 愛莉香 | 大阪成蹊大 | 6m20 |
4 | 野村 智也 | 東海大 | 7m86 | 4 | 小山 晶 | 立命館大 | 6m18 |
5 | 佐久間 滉大 | 法政大 | 7m82 | 5 | 山下 友佳 | 立命館大 | 6m16 |
三段跳
ホップ・ステップ・ジャンプの三段のリズムで、10mを超える距離を稼ぐ。よく観察すると、人によってホップ・ステップ・ジャンプそれぞれで稼ぐ距離の割合も微妙に違っており、そういった細かな違いに目を向けるのも醍醐味の一つ。
男子は、リオ五輪代表の山下航平(筑波大)が16m85の資格記録を持つ。大会記録は、父で日本記録保持者の山下訓史(筑波大)が持つ16m92。30年以上更新されていない大会記録に記録の上では肉薄した。安定感が課題だが、爆発力を発揮すればさらなる記録更新にも期待がかかる。一方、2連覇に挑む山本凌雅(順天堂大)は日本選手権も制しており、実績の上でも実力の上でも優勝候補筆頭。
女子は、昨年2位の森本麻里子(日本女子体育大)が資格記録トップ。6月の日本選手権でも学生トップの4位に入った。その森本を関東ICで1cm差で破ったのが剱持早紀(筑波大)。総合優勝を狙う同大学のために、1つでも良い順位を目指す。さらに、永山優・河合栞奈の大阪成蹊大コンビも、森本と2cmしか変わらない資格記録を持ち、タイトル奪取に向けて準備は万端。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 山下 航平 | 筑波大 | 16m85 | 1 | 森本 麻里子 | 日本女子体育大 | 12m85 |
2 | 山本 凌雅 | 順天堂大 | 16m68 | 2 | 永山 優 | 大阪成蹊大 | 12m83 |
3 | 池畠 旭佳瑠 | 東海大 | 16m20 | 2 | 河合 栞奈 | 大阪成蹊大 | 12m83 |
4 | 斎田 将之介 | 関西学院大 | 16m17 | 4 | 剱持 早紀 | 筑波大 | 12m66 |
5 | 原田 睦希 | 立命館大 | 16m16 | 5 | 中澤 希緒 | 早稲田大 | 12m60 |
砲丸投
世界レベルの選手でも20m程度の記録と、投てき種目の中では、地味に思われがちな種目。しかし、砲丸の重さは男子で7.260kgとハンマー投と並んで最も重いため、パワーが非常にものを言う豪快さが魅力でもある。一方、人によって回転投法かグライド投法かが異なるなど、細かい技術面にも注目したい。
男子は、昨年の王者・鈴木愛勇、今年の関東IC王者・武田歴次と、日本大勢が資格記録上位を占める。表彰台を独占した昨年の関東ICのような活躍を見せれば、総合5連覇が大きく近づくことになる。昨年の日本IC・今年の関東ICと表彰台に上がっている森下大地(筑波大)・村上輝(国士舘大)は、今回こそ表彰台の一番高いところに上がりたい。
女子は、郡菜々佳(九州共立大)と太田亜矢(福岡大)の九州コンビが、この種目をここ数年最高のレベルに押し上げている。九州ICで1年生ながら学生史上4人目の16m台に突入する16m19の記録で優勝を飾った郡と、その郡を日本選手権で下し、7月の実学対抗で5人目の16mプッターとなった太田。日本記録保持者の森千夏(国士舘大)以来14年ぶりの16m台での決着に期待が高まる。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 武田 歴次 | 日本大 | 17m50 | 1 | 郡 菜々佳 | 九州共立大 | 16m19 |
2 | 鈴木 愛勇 | 日本大 | 17m28 | 2 | 太田 亜矢 | 福岡大 | 16m12 |
3 | 森下 大地 | 筑波大 | 17m25 | 3 | 長沼 瞳 | 国士舘大 | 15m09 |
4 | 村上 輝 | 国士舘大 | 16m84 | 4 | 山本 遥 | 大阪体育大 | 14m65 |
5 | 赤間 祐一 | 筑波大 | 16m73 | 5 | 西川 チカコ | 福岡大 | 14m54 |
5 | 北尾 友靖 | 福岡大 | 16m73 | |
円盤投
ハンマー投と並んで、ネットに囲まれたサークル内でターンをして円盤を遠くに飛ばす。教科書などで、よく円盤投をしている男性の像の写真が掲載されるように、古代オリンピックからあった歴史ある種目。円盤の重さは、男子2kg、女子1kg。
男子は、昨年の日本ICは、東海大勢が表彰台を独占。その中で、1位の米沢茂友樹・2位の安藤夢が今年の資格記録ランキングでも1位・2位を占める。日本学生個人・関東IC2位の吉田惇も擁し、2年連続の表彰台独占も夢ではない。対するは、高校時代から超高校級の活躍を見せ、今年四国大に進学した幸長慎一。もし優勝すれば、中四国学連所属選手ではこの種目初の栄冠となる。
女子は、昨年の王者・藤森夏美(順天堂大)が連覇に挑む。今年も関東IC・日本学生個人を制し、日本選手権でも学生トップの3位入賞を果たすなど、学生相手では向かうところ敵なしといったところ。その藤森に対抗しうるのが、砲丸投との2冠を狙う郡菜々佳(九州共立大)。砲丸投・円盤投の両種目で高校記録をマークして入学してきた学生ルーキーが38年ぶりの快挙を果たすか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 米沢 茂友樹 | 東海大 | 57m83 | 1 | 藤森 夏美 | 順天堂大 | 52m97 |
2 | 安藤 夢 | 東海大 | 54m92 | 2 | 郡 菜々佳 | 九州共立大 | 52m14 |
3 | 幸長 慎一 | 四国大 | 54m15 | 3 | 辻川 美乃利 | 筑波大 | 49m49 |
4 | 谷口 真太郎 | 国士舘大 | 53m20 | 4 | 山本 実果 | 中京大 | 49m33 |
5 | 吉田 惇 | 東海大 | 53m14 | 5 | 石井 明日夏 | 東京女子体育大 | 49m05 |
ハンマー投
室伏広治の活躍などで、一番なじみのある投てき種目かもしれない。男子7.260kg、女子4kgのハンマーを60m以上飛ばすには、上半身と下半身のバランスのとれた身体能力が不可欠。
男子は、ランキングトップは、日本学生個人に学生歴代4位の好記録で優勝を飾った植松直紀(中京大)。昨年のこの大会・今年の日本選手権でも2位を占めており、実力は十分。自己記録を更新すれば、学生史上4人目の70m台も夢ではない。対抗馬は、内堀弘樹・木村友大の九州共立大勢。日本学生個人ではそれぞれ2位・3位であり、男子として同大学初の日本ICチャンピオンを狙う。
女子は、勝山眸美(筑波大)が2年ぶりの優勝を狙う。昨年は3位に終わり、大学としても1点差で総合優勝を逃しただけに、優勝にかける思いは強い。7月にマークした63m82は学生歴代2位。あと61cmに迫った日本学生記録更新にも期待がかかる。関東ICで勝山とともに筑波大勢で表彰台を独占した江原宇宙と関口清乃、日本学生個人覇者の本村夏鈴(九州共立大)は大物食いを狙う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 植松 直紀 | 中京大 | 69m71 | 1 | 勝山 眸美 | 筑波大 | 63m82 |
2 | 内堀 弘樹 | 九州共立大 | 67m15 | 2 | 本村 夏鈴 | 九州共立大 | 58m22 |
3 | 木村 友大 | 九州共立大 | 67m14 | 3 | 江原 宇宙 | 筑波大 | 57m75 |
4 | 根本 太樹 | 流通経済大 | 66m80 | 4 | 吉川 奈緒 | 福岡大 | 57m56 |
5 | 墨 訓煕 | 中京大 | 66m79 | 5 | 関口 清乃 | 筑波大 | 57m35 |
やり投
近年日本男子の活躍が著しい種目。男子800g、女子600gのやりを投げる。一番「投げている」感はあるが、実は、素人ではまっすぐ投げる事さえ難しい。
男子は、関東IC優勝の佐道隼矢(東海大)がトップの資格記録を持つ。日本学生個人覇者の中村克也(九州共立大)、昨年の日本IC2位、今年の日本選手権でも学生トップの4位に入っている小椋健司(日本大)らがそれを追う。昨年の関東ICチャンピオン・森秀(日本大)、昨年日本IC3位の河野充志(九州共立大)など、まさに群雄割拠で、一本のビッグスローが勝敗を決しそう。
女子は、日本学生記録保持者の北口榛花(日本大)が欠場する中、資格記録トップは山内愛(大阪成蹊大)。最近は実力を発揮できない試合が続くが、復活を期す。1年生ながら資格記録2位の山下実花子(九州共立大)、日本学生個人を大会記録で制した瀧川寛子(東大阪大)、連覇を狙う斉藤真理菜(国士舘大)、学生歴代3位の自己記録を持つ久世生宝(筑波大)など、実力は拮抗している。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 佐道 隼矢 | 東海大 | 77m97 | 1 | 山内 愛 | 大阪成蹊大 | 58m76 |
2 | 森 秀 | 日本大 | 76m58 | 2 | 山下 実花子 | 九州共立大 | 58m59 |
3 | 河野 充志 | 九州共立大 | 75m83 | 3 | 斉藤 真理菜 | 国士舘大 | 57m90 |
4 | 小椋 健司 | 日本大 | 75m77 | 4 | 瀧川 寛子 | 東大阪大 | 56m79 |
5 | 中村 克也 | 九州共立大 | 75m70 | 5 | 加藤 瑞生 | 京都教育大 | 56m54 |
十種競技・七種競技
2日間で、男子は10種目、女子は7種目を戦う、陸上で最も過酷な種目。この種目の王者は「キング・オブ・アスリート」、「クイーン・オブ・アスリート」と呼ばれる。2日間を戦い抜いた選手たちには仲間意識が生まれ、最終種目の男子1500m、女子800mを終えた後の選手たちの絆は、感動を呼ぶ。
男子は、川ア和也(順天堂大)が優勝候補の筆頭。昨年は故障により欠場を余儀なくされたが、今年の日本選手権でも2位に入るなど実力は折り紙付き。順天堂大の先輩・金子宗弘が持つ7773点の大会記録の更新も視野に入れつつ、2年ぶりの優勝を目指す。それを追うのは、関西IC覇者の森本公人(京都教育大)、関東IC覇者の潮ア傑(日本大)、昨年3位の右代啓欣(国士舘大)らか。
女子は、日本選手権混成において日本学生新記録で2連覇を果たしたヘンプヒル恵(中央大)が、優勝候補の大本命。日本記録にはあと80点まで迫り、記録への挑戦にも期待がかかる。5月の九州ICで従来の日本学生記録を更新し、ヘンプヒルが再び更新するまで日本学生記録保持者となった山ア有紀(九州共立大)は、それに迫るパフォーマンスを発揮すれば、番狂わせも不可能ではない。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 川ア 和也 | 順天堂大 | 7679点 | 1 | ヘンプヒル 恵 | 中央大 | 5882点 |
2 | 森本 公人 | 大阪教育大 | 7445点 | 2 | 山ア 有紀 | 九州共立大 | 5751点 |
3 | 右代 啓欣 | 国士舘大 | 7385点 | 3 | 伊藤 明子 | 筑波大 | 5389点 |
4 | 片山 和也 | 中京大 | 7324点 | 4 | 西村 莉子 | 武庫川女子大 | 5345点 |
5 | 坂本 都志記 | 鹿屋体育大 | 7304点 | 5 | 高橋 このか | 東京学芸大 | 5338点 |
4×100mR
個人種目がほとんどの陸上競技の中では珍しい団体競技であるリレー。その中でも4×100mRは花形だろう。個々の走力だけでなく、バトンパス短縮の工夫、走順によって直走路か曲走路かが異なることによるオーダーの妙など、様々な細かい技術がものを言う種目でもある。
男子は、本大会3連覇中の中央大・日本選手権リレー2連覇中の法政大が、選手層の厚さでは随一。しかし、関東ICで、両者の間に割って入って優勝を奪ったのは筑波大だった。資格記録でもトップで、同大学として9年ぶりの優勝を狙う。昨年の優勝メンバーに加えて今季急成長の竹田一平にも力がある中央大、大瀬戸一馬・長田拓也のダブルエースを擁する法政大は、関東ICの雪辱を狙う。
女子は、関西ICを大会新記録で制した大阪成蹊大の力がやや突出している。青山聖佳・中村水月という学生短距離界を代表するエースに加え、柴山沙也香・中島藍梨といった1年生にも力があり、選手層が厚い。昨年関西学生記録を樹立したメンバーが残る甲南大、昨年のこの大会の覇者である立命館大、関東の雄・青山学院大らがしのぎを削り、小さなミスが勝負を分ける激戦が予想される。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 筑波大 | 39.26 | 1 | 甲南大 | 45.07 |
2 | 東海大 | 39.30 | 2 | 大阪成蹊大 | 45.42 |
3 | 中央大 | 39.35 | 3 | 青山学院大 | 45.46 |
4 | 法政大 | 39.48 | 4 | 立命館大 | 45.50 |
5 | 早稲田大 | 39.52 | 5 | 駿河台大 | 45.64 |
4×400mR
通称「マイルリレー」と呼ばれ、対校戦では、最終種目として行われることが多い。3日間を戦い抜いた選手たちが、最後の力を振り絞ってバトンをつなぐ姿は、感動を呼ぶ。また、時にはこの最終種目で優勝が決まる場面もあり、緊迫した熱戦が繰り広げられる。
男子は、昨年優勝の順天堂大は昨年のメンバーが全員残り、連覇に向けて視界は良好。リオ五輪4×400mR代表の北川貴理をはじめ、個人種目の400mでも入賞を狙える選手を複数擁し、コンディションによっては記録も狙える布陣。日本選手権リレー4連覇中の早稲田大、ウォルシュ・ジュリアンが爆発力を秘める東洋大にも力があり、虎視眈々と王座を狙う。
女子は、大エース・青山聖佳を擁する昨年の優勝校・大阪成蹊大が抜群の選手層を誇る。関西ICも大会新記録で制し、あとは記録との戦いか。青山は、丹野麻美(福島大)以来史上2人目となる、200m・400m・4×100mRとの4冠を狙う。立命館大や甲南大がどこまで迫れるか。大会の最終種目。昨年は総合優勝争いがこの種目までもつれた。結果次第では、大逆転の幕切れもありうる。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 早稲田大 | 3:05.25 | 1 | 大阪成蹊大 | 3:38.17 |
2 | 東洋大 | 3:05.75 | 2 | 立命館大 | 3:40.60 |
3 | 順天堂大 | 3:05.82 | 3 | 甲南大 | 3:42.51 |
4 | 城西大 | 3:06.58 | 4 | 青山学院大 | 3:42.62 |
5 | 近畿大 | 3:06.83 | 5 | 筑波大 | 3:43.05 |