100m
スタート前の一瞬の静寂。号砲と同時に解き放たれる10秒間の力の爆発。まさに、陸上競技の花形といえるこの種目。
男子では、昨年の世界選手権の4×100mR銅メダルメンバー、多田修平(関西学院大)が連覇に挑む。昨年のこの大会で、追い風参考ながら日本人として国内初の9秒台をマーク。今年狙うは当然、公認での9秒台、そして日本記録。強敵となるのは楊俊瀚(国立台湾体育運動大学)か。台湾記録保持者で、多田が7位だった昨年のユニバーシアードの金メダリスト。ハイレベルの戦いに期待。
女子では、資格記録トップが11秒73で5人並ぶ異例の展開。加えて、関西IC100m・200m2冠の西尾香穂(甲南大)、前週に岐阜で行われたアジアジュニアで銅メダルに輝いた兒玉芽生(福岡大)にも力があり混戦模様。シンガポールから初参戦となるVeronica Shanti Pereira(シンガポールマネジメント大)は、100mと200mのシンガポール記録保持者。この大会に新たな歴史が刻まれるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 多田 修平 | 関西学院大 | 10.07 | 1 | 足立 紗矢香 | 青山学院大 | 11.73 |
2 | 楊 俊瀚 | 国立台湾体育運動大 | 10.20 | 1 | 柴山 沙也香 | 大阪成蹊大 | 11.73 |
3 | 西村 顕志 | 富山大 | 10.32 | 1 | 壹岐 いちこ | 立命館大 | 11.73 |
4 | 福島 聖 | 富山大 | 10.34 | 1 | 佐渡山 みなみ | 九州共立大 | 11.73 |
4 | 王 偉旭 | 国立台湾体育運動大 | 10.34 | 1 | Veronica Shanti Pereira | シンガポールマネジメント大 | 11.73 |
200m
スプリントの花形、100mに比べて地味な印象のこの種目だが、実は、曲走路の走りが勝負を分ける、速さと技術がものを言う味のある種目でもある。
男子では、昨年大会記録でこの種目を制した山下潤(筑波大)が今季も順調。5月の関東ICでは初優勝を飾った。その山下を上回る資格記録を持つのが、楊俊瀚(国立台湾体育運動大学)。昨年のユニバーシアードでは、楊、山下ともに決勝に進出し、楊が7位、山下が8位。楊も今年5月に20秒33の台湾新記録をマークし好調。平塚の海風はどちらに味方するのか。それともダークホースの台頭か。
女子は、ランキングトップは柴山沙也香(大阪成蹊大)。至学館高時代から活躍し、昨年日本IC2位の実力者。その柴山を関西ICで破ったのが西尾香穂(甲南大)。関西ICで柴山を上回る3位に入った吉田紗弓(立命館大)と合わせ、関西学連所属の3回生同士のライバル対決が見どころ。関東IC2位の渡邉ひかる(駿河台大)、佐藤日奈子(大東文化大)ら関東勢が割って入ることができるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 楊 俊瀚 | 国立台湾体育運動大 | 20.33 | 1 | 柴山 沙也香 | 大阪成蹊大 | 23.86 |
2 | 山下 潤 | 筑波大 | 20.59 | 2 | 西尾 香穂 | 甲南大 | 24.06 |
3 | 永田 駿斗 | 慶應義塾大 | 20.86 | 3 | 渡邉 ひかる | 駿河台大 | 24.09 |
4 | 東田 旺洋 | 筑波大 | 20.88 | 4 | 木村 瑞穂 | 甲南大 | 24.12 |
5 | 齊藤 勇真 | 筑波大 | 20.93 | 5 | 佐藤 日奈子 | 大東文化大 | 24.16 |
400m
短距離種目では最長のこの種目。トラック1周を50秒以内で駆け抜けるが、最後の直線は、選手にとっては永遠に感じられると言う。
男子では、若林康太、工藤大晟の駿河台大勢が好調。昨年の覇者・若林は、今年5月に45秒台に突入。トップレベルの仲間入りを果たした。工藤も今年に入って1秒以上自己記録を更新。関東IC2部では、若林・工藤で1位・2位を独占した。他にも、関西IC覇者の河内光起(近畿大)、5月に自己記録更新の九州IC覇者・松清和希(福岡大)ら、全国から強豪が集結。群雄割拠の様相だ。
女子では、昨年の日本選手権覇者・岩田優奈(中央大)が連覇を狙う。昨年は、この大会、実学対抗、日本ICと学生タイトルを総なめし、日本選手権まで制する大ブレイクの年だった。今年も、関東ICこそ関東学生新を樹立した広沢真愛(日本体育大)に苦杯を舐めたが、安定した成績を残している。昨年2位の松本聖華(駿河台大)、3位の椎谷佳奈子(新潟医療福祉大)らがどこまで迫れるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 若林 康太 | 駿河台大 | 45.81 | 1 | 岩田 優奈 | 中央大 | 53.65 |
2 | 河内 光起 | 近畿大 | 46.06 | 2 | 松本 聖華 | 駿河台大 | 54.34 |
3 | 松清 和希 | 福岡大 | 46.16 | 3 | 伊谷 栞奈 | 駿河台大 | 54.36 |
4 | 工藤 大晟 | 駿河台大 | 46.31 | 4 | 稲岡 真由 | 園田学園女子大 | 54.65 |
5 | 楊 隆翔 | 国立台湾師範大 | 46.57 | 5 | 川上 いちご | 千葉大 | 54.67 |
800m
400mトラックを2周。最初から引っ張るか、最後のスパートに賭けるかなど、駆け引きが非常に重要な種目で、心技体すべてが要求される。
男子では、昨年のこの大会を大会新記録で制した高木駿一(鹿屋体育大)は、勢いそのまま、昨年7月には九州の学生で初の1分48秒台ランナーとなった。今年は、自身の大会記録を更新しての2連覇を狙う。一方、関東ICで自己記録を更新しそれぞれ2位・3位に入った梅谷健太(順天堂大)、瀬戸口大地(山梨学院大)らにも勢いがあり、実力は拮抗。レースの主導権争いが勝敗を分けそう。
女子では、秋田大の医学生・広田有紀が、高校3年のIH以来5年ぶりの全国タイトルに挑む。一昨年の日本ICが3位、昨年の日本ICは2位。機は熟した。一方、ランキング2位の池崎愛里(順天堂大)は、今年関東ICを初制覇。昨年も、関東IC2位、この大会2位、日本IC3位と安定した成績を残しており、学生記録保持者の北村夢(日本体育大)という強敵が卒業した今、目指す高みは優勝のみ。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 白石 浩之 | 順天堂大 | 1:48.04 | 1 | 広田 有紀 | 秋田大 | 2:05.01 |
2 | 梅谷 健太 | 順天堂大 | 1:48.53 | 2 | 池崎 愛里 | 順天堂大 | 2:06.40 |
3 | 高木 駿一 | 鹿屋体育大 | 1:48.56 | 3 | 中村 美宇 | 福島大 | 2:08.62 |
4 | 瀬戸口 大地 | 山梨学院大 | 1:48.95 | 4 | 戸谷 温海 | 山梨学院大 | 2:09.35 |
4 | 木原 裕貴 | 同志社大 | 1:48.95 | 5 | 陣在 ほのか | 日本体育大 | 2:09.43 |
1500m
800mと同様に、頭を使うことも要求される種目。4分間の間に先頭の入れ替わりやスパート合戦など、さまざまな展開が繰り広げられ、見ごたえもある。
男子では、塩澤稀夕、小松陽平の東海大勢が資格記録上位を占める。昨年の覇者、同じ東海大の館澤亨次は、この大会での優勝を経て、日本選手権優勝まで駆け上がった。今年もそんなサクセスストーリーの序章が見られるか。また、皇學館大の川瀬翔矢がランキング5位。全日本大学駅伝50回の節目の年に、伊勢神宮ゆかりの皇學館大の若きエースが、まずは一つ、全国タイトルを狙いに行く。
女子では、昨年この大会2位の工藤杏華(日本体育大)が資格記録トップ。昨年の日本IC3位、今年の関東IC2位の保坂野恋華(東京農業大)にも安定感がある。注目は京都産業大の橋本奈津。1年時にこの大会と日本ICの2冠を達成、全日本大学女子駅伝1区区間賞など鮮烈な印象を残したが、昨年は故障に苦しんだ。今年の関西IC優勝で復活。ストライドを生かした走りで2年ぶりの全国制覇へ。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 塩澤 稀夕 | 東海大 | 3:44.63 | 1 | 工藤 杏華 | 日本体育大 | 4:19.90 |
2 | 小松 陽平 | 東海大 | 3:44.86 | 2 | 大谷 菜南子 | 松山大 | 4:23.26 |
3 | 飯島 陸斗 | 早稲田大 | 3:45.30 | 3 | 保坂 野恋花 | 東京農業大 | 4:24.75 |
4 | 久納 碧 | 法政大 | 3:45.69 | 4 | 土田 佳奈 | 東京農業大 | 4:25.33 |
5 | 川瀬 翔矢 | 皇學館大 | 3:46.26 | 5 | 白鳥 さゆり | 順天堂大 | 4:25.71 |
5000m
この大会唯一の長距離種目(競歩除く)。今や長距離種目は、言わずと知れた人気種目だが、梅雨時の蒸し暑さに選手が以下に対応していくかにも注目。
男子は、ここ数年、青山学院大と東海大のマッチレースの様相を呈しているこの種目。今年も、両大学が主力を投入。特に、青山学院大は、箱根駅伝2区区間賞の森田歩希をはじめ、1月の箱根駅伝を走った選手は、卒業した選手を除き全員がエントリー。この両大学の争いに、ランキング2位の川瀬翔矢(皇學館大)ら、関東以外の大学の選手が絡んでくると面白くなってくる。ここ数年、青山学院大と東海大のマッチレースの様相を呈しているこの種目。今年も、両大学が主力を投入。特に、青山学院大は、箱根駅伝2区区間賞の森田歩希をはじめ、1月の箱根駅伝を走った選手は、卒業した選手を除き全員がエントリー。この両大学の争いに、ランキング2位の川瀬翔矢(皇學館大)ら、関東以外の大学の選手が絡んでくると面白くなってくる。
女子では、一昨年の全日本大学女子駅伝を制した松山大のエース・緒方美咲に加え、昨年全日本大学女子駅伝1区で強烈な区間賞を獲得した五島莉乃(中央大)、学生歴代9位の自己記録を持つ佐藤成葉(立命館大)、関西ICにおいてその佐藤を含む並み居る強豪を破って連覇を果たした棚池穂乃香(京都産業大)ら、各校のエースがエントリー。エース同士のプライドとプライドがぶつかり合う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 橋詰 大慧 | 青山学院大 | 13:54.80 | 1 | 緒方 美咲 | 松山大 | 15:39.11 |
2 | 川瀬 翔矢 | 皇學館大 | 13:55.85 | 2 | 五島 莉乃 | 中央大 | 15:42.06 |
3 | 小野田 勇次 | 青山学院大 | 13:57.29 | 3 | 加藤 優果 | 中京学院大 | 15:42.09 |
4 | 西川 雄一朗 | 東海大 | 13:57.40 | 4 | 佐藤 成葉 | 立命館大 | 15:43.49 |
5 | 松尾 淳之介 | 東海大 | 13:57.75 | 5 | 宮田 佳菜代 | 新潟医療福祉大 | 15:52.72 |
110mH・100mH
ハードルの高さは、男子では大人の腰くらいの高さ(1.067m)。全身を目いっぱいに使ってハードルを超えていく姿は、迫力を感じさせる。
男子110mHでは、昨年のユニバーシアード銀メダリスト、陳奎儒(国立体育大)が、今年のゴールデンGPで自身の持つ台湾記録をさらに更新する13秒49をマークするなど絶好調。昨年の日本IC2位の石川周平(筑波大)、学生歴代8位の記録を持つ栗城アンソニー(国際武道大)らが挑む構図か。最終学年となった高校記録・U20日本記録保持者、古谷拓夢(早稲田大)も、関東ICを初めて制するなど好調。
女子100mHでは、日本IC2連覇中の小林紗矢香(愛知教育大)が、順当に行けば優勝候補筆頭。しかし、田中陽夏莉(山梨学院大)が、4月に学生歴代9位の13秒38をマーク。勢いそのまま関東ICも制し、全国タイトルも窺う。その田中が2位に入った2016年のIHで優勝したのが、関西IC覇者の田中佑美(立命館大)。関東と関西のICを制した「田中」同士の高校時代から続くライバル対決にも注目。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 陳 奎儒 | 国立体育大 | 13.50 | 1 | 田中 陽夏莉 | 山梨学院大 | 13.38 |
2 | 栗城 アンソニー | 国際武道大 | 13.60 | 2 | 小林 紗矢香 | 愛知教育大 | 13.45 |
3 | 石川 周平 | 筑波大 | 13.67 | 3 | 田中 佑美 | 立命館大 | 13.47 |
4 | 古谷 拓夢 | 早稲田大 | 13.74 | 4 | 謝 喜恩 | 国立台湾師範大 | 13.50 |
5 | 藤井 亮汰 | 順天堂大 | 13.81 | 5 | 堀池 香穂 | 国士舘大 | 13.51 |
400mH
400mを走る間に10台のハードルを越える。スピードとハードル技術の両方が問われる。ハードル間を何歩で刻むかなどにも注目してみると、人それぞれで面白い。
男子は、ランキングトップは、井上駆(順天堂大)。立命館大から順天堂大の大学院に進学し、5月の静岡国際でいきなり自身初の49秒台をマーク。その後、再度49秒台をマークした後は欠場が続いているが、実力はナンバーワン。一方、昨年の日本IC2位の山本竜大(日本大)は、強豪揃いの関東ICで優勝。勢いそのまま全国タイトル獲得なるか。余嘉軒(国立台湾体育運動大)は昨年4位。
女子では、吉田佳純(駿河台大)は、昨年の日本ICで58秒68をマークして2位。唯一58秒台の資格記録を持つ。資格記録で吉田に次ぐのが、ともに1年生で昨年のIH2位・3位の西村寧々花(立命館大)と大城楓奈(山形大)。昨年の小山佳奈(早稲田大)に続く1年生優勝も視野に入れる。また、大城が優勝すれば、山形大の選手としては、日本IC・学生個人を通じて初の全国タイトルとなる。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 井上 駆 | 順天堂大 | 49.54 | 1 | 吉田 佳純 | 駿河台大 | 58.68 |
2 | 余 嘉軒 | 国立台湾体育運動大 | 49.90 | 2 | 西村 寧々花 | 立命館大 | 59.01 |
3 | 山本 竜大 | 日本大 | 49.92 | 3 | 大城 楓奈 | 山形大 | 59.17 |
4 | 都 康炳 | 同志社大 | 50.32 | 4 | 中原 みなみ | 甲南大 | 59.41 |
5 | 有田 英憲 | 順天堂大 | 50.43 | 5 | 六反田 実優 | 同志社大 | 59.48 |
3000mSC
3000mの中で障害物を28回、水郷を7回飛び越える、トラックで最も過酷な種目。
男子では、資格記録トップの藤崎真伍(流通経済大)は、昨年のこの大会で優勝し、流通経済大の日本人選手としては、日本IC・学生個人を通じて、初めての学生全国タイトルを獲得した。昨年この大会4位の田村丈哉(帝京大)、今年の関西ICを自己記録で制した吉野駆流(大阪体育大)ら、追う選手との実力は拮抗しており、競り合うことによる好記録に期待したい。
女子では、3連覇を果たした学生記録保持者・高見澤安珠(松山大)が卒業。その後を継いで女王となるのは、やはり松山大勢になるだろうか。昨年この大会と日本ICでともに2位、今年の中四国ICを制した岡田佳子、昨年の日本選手権6位入賞の高見沢里歩が、資格記録では一歩抜けている。関西IC覇者で昨年のこの大会と日本ICともに3位の信岡桃英(京都産業大)らが松山大の牙城を崩せるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 藤崎 真伍 | 流通経済大 | 8:53.20 | 1 | 岡田 佳子 | 松山大 | 10:05.26 |
2 | 田村 丈哉 | 帝京大 | 8:54.05 | 2 | 高見沢 里歩 | 松山大 | 10:05.81 |
3 | 小嶋 一魁 | 関西学院大 | 8:56.08 | 3 | 信岡 桃英 | 京都産業大 | 10:13.44 |
4 | 吉野 駆流 | 大阪体育大 | 8:56.11 | 4 | 秋山 祐妃 | 大東文化大 | 10:17.32 |
5 | 須崎 乃亥 | 東海大 | 8:58.89 | 5 | 西山 未奈美 | 松山大 | 10:17.38 |
10000mW
今大会唯一の競歩種目。両足が同時にグラウンドから離れていないか(ロス・オブ・コンタクトになっていないか)、前脚が接地の瞬間から垂直の位置になるまでまっすぐに伸びているか(ベント・ニーになっていないか)、よく目を凝らして見てほしい。
男子では、昨年、5000mWの日本高校記録を16年ぶりに更新した住所大翔(順天堂大)が、1年生ながら資格記録トップ。この種目で1年生優勝を飾れば、2007年の宇波栄樹(小松短大)以来11年ぶり。それに次ぐのが、昨年のこの大会を制した河岸良祐(東洋大)。住所・河岸とも兵庫・飾磨工高出身であり、先輩・後輩対決に注目。昨年2位の橋和生(早稲田大)は、最終学年で雪辱を期す。
女性では、東海学連勢に力がある。資格記録トップは本間汐音(中京大)。それに次ぐ資格記録を持つ園田世玲奈(中京大)は、4月に国内の主要競技会で初めて実施された全日本競歩輪島大会の女子50kmWの最初の覇者となった。その2人を東海ICで破ったのが、中部学院大の1年生・橋あぐり。昨年まで日本ICを4連覇した五藤怜奈(中部学院大)の系譜を継ぐことになるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 住所 大翔 | 順天堂大 | 40:22.96 | 1 | 本間 汐音 | 中京大 | 47:07.00 |
2 | 河岸 良祐 | 東洋大 | 40:26.34 | 2 | 園田 世玲奈 | 中京大 | 47:09.12 |
3 | 橋 和生 | 早稲田大 | 40:35.88 | 3 | 外所 知紗 | 同志社女子大 | 47:37.39 |
4 | 森田 靖 | 龍谷大 | 40:47.66 | 4 | 吉田 優海 | 国士舘大 | 47:50.00 |
5 | 菅浪 裕也 | 順天堂大 | 40:49.31 | 5 | 杉山 智香 | 同志社大 | 47:57.22 |
走高跳
「高さの跳躍」と呼ばれる跳躍種目の1つ。助走のリズムと、スピードを高さに変える技術力、バーに触れずにマットに着地する身のこなしが重要。
男子では、国立台湾体育運動大学の向俊賢は、2m29の台湾記録を持つ実力者。3年前に出した台湾記録を更新する2m30超えの大ジャンプが見られるか。対抗馬としては、日本ICを2度制している赤松諒一(岐阜大)、昨年の覇者・長谷川直人(新潟医療福祉大)に加え、5月の台湾国際でその向を破って優勝し、自己記録を更新して自信をつけている藤田渓太郎(立命館大)にも注目したい。
女子では、香港から、1m88の香港記録を持つYEUNG Man Wai(香港大)が参戦。今季も既に5月に1m83をマークするなど安定した成績を残している。YEUNGを破ることができるとしたら、その候補の筆頭は仲野春花(早稲田大)か。2016年秋以降、今年の兵庫リレーカーニバルで敗れるまで、およそ1年半もの間日本人相手には無敗を誇った。日本女子走高跳界の若きエースが意地を見せられるか。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 向 俊賢 | 国立台湾体育運動大 | 2m26 | 1 | YEUNG Man Wai | 1香港大 | 1m88 |
2 | 赤松 諒一 | 岐阜大 | 2m22 | 2 | 仲野 春花 | 早稲田大 | 1m83 |
3 | 長谷川 直人 | 新潟医療福祉大 | 2m21 | 3 | 中西 美早 | 日本女子体育大 | 1m82 |
4 | 中澤 優 | 東海大 | 2m20 | 4 | 橋 渚 | 日本大 | 1m78 |
4 | 藤田 渓太郎 | 立命館大 | 2m20 | 4 | 神坂 莉子 | 日本女子体育大 | 1m77 |
棒高跳
陸上競技の中で、最も「高い」場所で行われる種目。男子では5mをはるかに超える高さまで舞い上がり、見上げる高さのバーに触れもせずに超えていく。男子棒高跳は、フィールド種目で数少ない、日本が世界と戦える種目。
男子では、江島雅紀(日本大)に記録の期待がかかる。高校記録を4度更新し、U20アジア記録も持つ逸材だが、昨年のこの大会を制して以降、日本選手権、日本IC、アジア選手権、関東ICと、大試合の2位が続く。勝利に飢えた怪物が、2013年のこの大会で山本聖途(中京大)が樹立した5m75の学生記録に挑む。中京大から日本体育大大学院に進んだ鈴木康太も学生歴代3位の記録を持つ実力者。
女子では、関東ICを2年連続の大会タイ記録で制した諸田実咲(中央大)が唯一4m台の資格記録を持ちランキングトップ。2014年に竜田夏苗(武庫川女子大)がマークした4m01の大会記録に果敢に挑んで欲しい。昨年の日本ICで1位と同記録ながら無効試技数の差で2位と涙を呑んだ若園茜(筑波大)や昨年のこの大会を制した金治良佳(武庫川女子大)らも、虎視眈々とタイトルを狙う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 江島 雅紀 | 日本大 | 5m65 | 1 | 諸田 実咲 | 中京大 | 4m00 |
2 | 鈴木 康太 | 日本体育大 | 5m60 | 2 | 若園 茜 | 筑波大 | 3m90 |
3 | 石川 拓磨 | 中京大 | 5m30 | 2 | 中林 麻奈 | 日本体育大 | 3m90 |
3 | 榎 将太 | 中京大 | 5m30 | 2 | 前川 淳 | 日本体育大 | 3m90 |
5 | 窪田 大輝 | 国際武道大 | 5m26 | 2 | 金治 良佳 | 武庫川女子大 | 3m90 |
走幅跳
助走のスピードを跳躍力に変え、宙を舞って砂場に着地する。スピードが肝心だが、空中での姿勢や、1センチ単位での助走開始位置の調整など、細かな技術もものを言う。
男子では、日本記録が出るかもしれない。橋岡優輝(日本大)は、5月の関東ICで、追い風参考ながら、日本記録を上回る8m30をマーク。公認での日本記録もしっかりと視界に捉えたことだろう。海風に乗り、1992年の森長正樹(日本大)の8m25以降止まった時計の針が動き出すか。昨年の日本IC3位で、今年は関東IC走幅跳3位、三段跳優勝と波に乗る川島鶴慎(順天堂大)にも力がある。
女子では、昨年のこの大会3位の原田彩希(九州共立大)が資格記録トップ。それに次ぐ資格記録を持つのが、昨年の日本IC3位の山下友佳(立命館大)。原田・山下ともに、自己記録を出したのはこの大会。良いイメージのある大会で、平塚の追い風に乗り、好記録での全国タイトルに挑む。関東IC2連覇の神山綾音(日本体育大)にも力があり、拮抗した勝負から目が離せない。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 橋岡 優輝 | 日本大 | 8m05 | 1 | 原田 彩希 | 九州共立大 | 6m11 |
2 | 川島 鶴槙 | 順天堂大 | 7m92 | 2 | 山下 友佳 | 立命館大 | 6m09 |
3 | 林 家 | 台北市立大 | 7m89 | 3 | 神山 綾音 | 日本体育大 | 6m07 |
4 | 野村 智也 | 東海大 | 7m84 | 4 | 漁野 理子 | 早稲田大 | 6m04 |
5 | 石倉 南斗 | 岐阜経済大 | 7m82 | 5 | 坂東 あすか | 横浜国立大 | 6m02 |
| 5 | 佐々木 明日香 | 青山学院大 | 6m02 |
三段跳
ホップ・ステップ・ジャンプの三段のリズムで、10mを超える距離を稼ぐ。よく観察すると、人によってホップ・ステップ・ジャンプそれぞれで稼ぐ距離の割合も微妙に違っており、そういった細かな違いに目を向けるのも醍醐味の一つ。
男子は、ランキングトップは岡林隼矢(びわこスポーツ大)。昨年の西日本ICでマークした16m07を引っ提げ、今年はゴールデンGPにも出場するなど経験、自信を積んできた。岡部優真(福岡大)は、2011年と12年のこの大会を制しており、大学を卒業し、実業団の九電工に進んだ後で大学院に入り直した経歴を持つジャンパー。優勝すれば、大会史上初の同一選手の「6年ぶりの優勝」となる。
女子では、昨年の日本ICで、最終跳躍で初の13m超えとなる自己新をマークし、2位と1cm差の劇的な優勝を飾った河合栞奈(大阪成蹊大)がランキングトップ。今年は関西ICを欠場するなど不安を残すが、実力はナンバーワン。昨年の国体少年優勝の中村紗華(順天堂大)、U20日本選手権優勝の金子史絵奈(青山学院大)ら、1年生がランキング10位以内に6人。若い力の台頭にも期待。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 岡林 隼矢 | びわこスポーツ大 | 16m07 | 1 | 河合 栞奈 | 大阪成蹊大 | 13m05 |
2 | 岡部 優真 | 福岡大 | 16m06 | 2 | 江 慧h | 国立台湾師範大 | 12m93 |
2 | 李 奎龍 | 私立長榮大 | 16m06 | 3 | 中村 紗華 | 順天堂大 | 12m86 |
4 | 竹之内 優汰 | 順天堂大 | 16m04 | 4 | 宮川 杏奈 | 山梨学院大 | 12m66 |
5 | 井関 慶人 | 東海大 | 16m01 | 4 | 柳川 かれん | 立命館大 | 12m66 |
砲丸投
世界レベルの選手でも20m程度の記録と、投てき種目の中では、地味に思われがちな種目。しかし、砲丸の重さは男子で7.260kgとハンマー投と並んで最も重いため、パワーが非常にものを言う豪快さが魅力でもある。一方、人によって回転投法かグライド投法かが異なるなど、細かい技術面にも注目したい。
男子では、学生歴代10位の17m46を持つ川口哲生(日本大)が唯一17m台の資格記録を持ち、実力で一歩抜きんでている。今年は関東ICも2連覇も果たし順調。今年は日本記録が出るなど活況を呈するこの種目。昨年樹立された学生歴代4位の大会記録17m90に迫る好記録を期待したい。ランキング2位の林祐霆が17m台の自己記録をマークし、川口を脅やかせば、勝負の行方は分からなくなる。
女子では、昨年の日本選手権・日本ICチャンピオン、郡菜々佳(九州共立大)が2年ぶりの優勝に挑む。高校記録・U20日本記録を持つ逸材が次に照準を定めるのは、2002年に森千夏(国士舘大)がマークした「不滅」の学生記録17m39か。ランキング2位の尾山和華(福岡大)は、中学記録・U18日本記録保持者。郡と尾山、数々の記録を塗り替え続けてきた「レコードホルダー」対決にも注目。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 川口 哲生 | 日本大 | 17m46 | 1 | 郡 菜々佳 | 九州共立大 | 16m57 |
2 | 林 祐霆 | 台北市立大 | 16m91 | 2 | 尾山 和華 | 福岡大 | 15m57 |
3 | 飛松 功 | 福岡大 | 16m39 | 3 | 齋藤 友里 | 筑波大 | 14m98 |
4 | 杉本 仁 | 中京大 | 15m83 | 4 | 西川 チカコ | 福岡大 | 14m86 |
5 | 風張 鼓太郎 | 国士舘大 | 15m77 | 5 | 伊知地 千奈 | 筑波大 | 14m60 |
円盤投
ハンマー投と並んで、ネットに囲まれたサークル内でターンをして円盤を遠くに飛ばす。教科書などで、よく円盤投をしている男性の像の写真が掲載されるように、古代オリンピックからあった歴史ある種目。円盤の重さは、男子2kg、女子1kg。
男子は、資格記録トップは、連覇を狙う安藤夢(東海大)。大学2年時にマークした自己記録54m92は学生歴代7位。最終学年での自己記録更新にも期待したい。関東ICで、その安藤と激闘の末、自己記録で優勝を果たしたのが、ランキング2位の松井俊樹(国士舘大)。関東ICと同様、熱闘が繰り広げられそう。昨年2位の高倉星也(新潟医療福祉大)は、この種目の北信越勢初制覇を狙う。
女子では、郡菜々佳(九州共立大)が砲丸投との2冠に挑む。同種目の2冠となれば、2013年の中田恵莉子(中京大)以来5年ぶり。砲丸投と円盤投が同日に行われていた当時と比べれば、砲丸投で学生歴代2位、円盤投で学生歴代4位の記録を持つ郡にとって、達成のハードルはそう高くないかもしれない。それを阻むのは、昨年の日本IC・日本選手権を制した女王・辻川美乃利(筑波大)か。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 安藤 夢 | 東海大 | 54m01 | 1 | 郡 菜々佳 | 九州共立大 | 54m26 |
2 | 松井 俊樹 | 国士舘大 | 52m80 | 2 | 辻川 美乃利 | 筑波大 | 52m56 |
3 | 高倉 星也 | 新潟医療福祉大 | 51m75 | 3 | | 石井 明日夏東京女子体育大 | 50m19 |
4 | 首藤 大輝 | 日本大 | 51m69 | 4 | 川口 紅音 | 日本体育大 | 49m16 |
5 | 飛松 聡 | 九州共立大 | 51m04 | 5 | 芳賀 鼓 | 東京女子体育大 | 48m45 |
ハンマー投
室伏広治の活躍などで、一番なじみのある投てき種目かもしれない。男子7.260kg、女子4kgのハンマーを60m以上飛ばすには、上半身と下半身のバランスのとれた身体能力が不可欠。なお、ハンマー投のみは、東海大学湘南校舎陸上競技場で行われる。
男子では、昨年のこの大会、学生史上4人目の70mオーバーとなる70m05の大会新記録が樹立された。しばらく破られないと思われたこの記録だが、もしかしたら1年で更新されるかもしれない。木村友大(九州共立大)が、昨年9月に70m06の大記録をマーク。今年も既に69m台の投てきを放っている。別会場の東海大で行われるこの種目だが、随時行われるアナウンスを聞き逃してはならない。
女子では、学生史上6人しかいない60m超えの記録を持つ関口清乃(筑波大)が、優勝候補筆頭。進修館高時代に高校記録を打ち立てた逸材が、3年生にして学生全国初タイトルに挑む。同学年の小舘充華(流通経済大)と桑原翠(九州共立大)は、2016年の日本ジュニア以降、昨年のこの大会・日本IC・国体・U20日本選手権と、主要全国大会全てで順位が1つ違いという不思議なライバル関係。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 木村 友大 | 九州共立大 | 70m06 | 1 | 関口 清乃 | 筑波大 | 60m08 |
2 | 古旗 崇裕 | 中京大 | 66m42 | 2 | 小舘 充華 | 流通経済大 | 59m28 |
3 | 奥村 匡由 | 流通経済大 | 66m06 | 3 | 洪 e? | 国立台湾師範大 | 59m21 |
4 | 東浦 貫太 | 中京大 | 64m73 | 4 | 桑原 翠 | 九州共立大 | 58m05 |
5 | 北亦 将成 | 流通経済大 | 63m91 | 5 | メイン 桜 | 九州共立大 | 57m73 |
やり投
近年日本男子の活躍が著しい種目。男子800g、女子600gのやりを投げる。一番「投げている」感はあるが、実は、素人ではまっすぐ投げる事さえ難しい。
男子では、資格記録トップは76m36を持つ佐道隼矢(東海大)だが、2位の九州IC覇者・松藤圭汰(九州共立大)をはじめ、資格記録差3m以内に6人の選手がひしめく混戦模様。昨年79m42の大会新記録でこの大会を制した鄭兆村(私立輔仁大)は、2か月後、アジア人初の90m超えを果たした。この大会をステップに世界トップレベルへ。それは、日本人選手にとっても決して夢物語ではない。
女子では、山下実花子(九州共立大)が、学生史上3人目の60m超えに挑む。昨年の国体で、学生歴代3位の59m94の自己記録をマーク。大台まではあと6cm。今季も既に九州ICで58m16、5月の台湾国際では57m83の大会新記録で優勝と、いつ壁を破ってもおかしくない。瀧川寛子(中京大)は、東大阪大の学部生時代の2016年に自己記録をマークしたこの大会で、2年ぶりの全国タイトルを狙う。
【資格記録上位ランキング】
男子 | 女子 |
1 | 佐道 隼矢 | 東海大 | 76m36 | 1 | 山下 実花子 | 九州共立大 | 59m94 |
2 | 松藤 圭汰 | 九州共立大 | 75m91 | 2 | 瀧川 寛子 | 筑波大 | 56m31 |
3 | 水野 佑哉 | 岐阜経済大 | 74m58 | 3 | 中田 寛乃 | 国士舘大 | 54m69 |
4 | 河野 充志 | 九州共立大 | 74m21 | 4 | 大城 まゆ | 京都教育大 | 54m57 |
5 | 石坂 力成 | 大阪体育大 | 73m98 | 5 | 桑添 友花 | 九州共立大 | 54m50 |